「縄文人の台所事情」 (5月25日(土)の体験授業)

みなさんこんにちは!日本文化学科3年の百瀬さくらです。今回からはおなじみの高橋先輩の後を引き継ぎ、私たち新3年生がオープンキャンパスの体験授業リポートを行っていきます。当日ご参加いただけなかった方にも体験授業の内容と雰囲気が伝えられるよう、頑張ります!

百瀬:小川先生、こんにちは!今回は「縄文人の台所事情」というテーマですが、縄文時代に日本列島に住んでいた人々は一体どのようなものを食べていたのですか?

小川:はい、それは地域によって異なってきます。北海道の縄文人はトドやアザラシといった海産大型動物を食べていましたが、東北以南の縄文人はドングリやクリといったものを主食としていました。

百瀬:北海道の縄文人は肉食系、東北以南の縄文人は草食系だったということですね!

小川:そういうことですね。また、動く食材である魚を捕るために返しの付いている釣り針を用いるなど、道具にも様々な工夫がなされていました。アザラシやオットセイを捕まえる時は、銛先(もりさき)が獲物の体内に残る特別な銛(もり)を使い、それを綱で引っ張って獲得するという方法をとっていたのです。さらに主食であったドングリをおいしく食べるためのアク抜き技術も非常に発達していました。

百瀬:食材を獲得、加工するための道具には様々な工夫がなされていたのですね!

小川:はい。ちなみに現代の栄養学に照らして試算してみると、縄文人の女性の平均身長(147cm)では、1日におよそ1900kcalが必要だということになります。このカロリーをクリだけで摂取しようとすると、約80個にも相当するのです。

百瀬:縄文時代の人々は大変な苦労をして食料を確保していたのですね。

  • 駒女の敷地内で採れたドングリ(撮影:小川先生)
    駒女の敷地内で採れたドングリ
    (撮影:小川先生)

小川:そうなのです。この学園の敷地内には縄文時代の遺跡があり、裏山にはドングリも落ちているので、秋になったら百瀬さんもドングリを拾いに行ってみてください。きっと当時の人々の気持ちが分かると思いますよ。

百瀬:はい、秋になるのが待ち遠しいです!
現代の私たちはお金さえ払えば食べ物が簡単に手に入る、幸せな環境にあるのだということを実感できました。小川先生、貴重なお話をしていただきありがとうございました!みなさんもこの機会に食生活を見直してみてはいかがでしょう?
以上、日本文化学科3年・百瀬さくらのリポートでした!

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