〈知ればナルホド!私の日本文化〉手紙の折り方に見る先人の知恵 (6月22日(土)の体験授業)

みなさん、こんにちは!日本文化学科3年の古内歩です。今回は、6月22日(土)の体験授業「〈知ればナルホド!私の日本文化〉手紙の折り方に見る先人の知恵」のリポートを行います。当日ご参加いただけなかった方にも、体験授業の雰囲気をお伝えできるように頑張ります。よろしくお願いします!

古内:皆川先生、こんにちは!今回は「手紙の折り方に見る先人の知恵」というテーマで、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった武将による手紙の折り方をご紹介いただきましたが、実際にはどのように手紙を折って、相手に届けていたのですか?

皆川:はい、戦国時代には手紙を書く紙は大変高価な商品でした。そこで織田信長などの武将は、貴重な紙を有効に活用する方法で、手紙を書いて、相手に届けていました。作法の一つに、「切封(きりふう)」という方法があります。現在、私たちが封書で手紙を書く場合、手紙を書いた便箋を封筒に入れて、封筒の裏側に〆を書いて出します。豊臣秀吉などの武将は、手紙の本文を書いた紙の右端を下より上へ数ミリ単位で切り、切った部分をひもの替りにして、その手紙をくくる「切封」で出す場合がありました。

  • 武将たちが用いた「切封」
    武将たちが用いた「切封」

古内:これがその「切封」(左写真)ですね。

皆川:そうです。このほかにも、手紙を書く横長の紙を横で半分に折り、手紙を書く「折紙(おりがみ)」という方法もあります。この作法は、手紙だけでなく、刀、絵画、焼き物などの古美術の鑑定書にも使われたため、古美術の価値を証明する「折紙付(おりがみつき)」ということばの語源にもなっています。

古内:何かを保証する“おりがみつき”って、そこから来た言葉だったのですね!初めて知りました!
皆川先生、貴重なお話ありがとうございました。みなさん、いかがですか?ホントに日本人の生活の知恵には驚くばかりです。また武将たちの手紙を見ると、モノを大切にする日本の文化までも見えてきました。私たち現代人は、もっと先人の知恵に学ぶ必要がありそうですね。以上、日本文化学科3年、古内歩からのレポートでした!

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