2017年度 国際関係コース合同研究発表会

昨年12月13日、国際関係コースの4ゼミ合同で研究発表会を開催しました。今回は、杉野ゼミの学生を中心に、学生が主体となって、発表会の企画・準備から当日の運営まで行いました。当日の発表順に、各ゼミの発表内容を紹介します。

弥久保ゼミ:韓国の徴兵制について

卒業論文のテーマとして2年間研究してきた成果をまとめた発表でした。兵士の待遇・日常生活の紹介や徴兵逃れと軍でのいじめの問題を取り上げ、最後には、韓国のような徴兵制度の導入に対する賛否について問いかけがありました。学生からは、導入するメリットよりデメリットの方が大きい、国民に対する負担が大きいなどの理由による反対意見や、今回の発表を聞き、日本で報道されているほど負担は大きくないようなので賛成する、男女平等が主張される現在、なぜ男性のみが徴兵の対象なのだろうかといった意見が寄せられました。問いに対し、周りの人と一緒に考える時間があり、自分の意見と比較できてよかったなどのコメントが多くあり、韓国のみならず現下の国際情勢を踏まえ、日本と平和の関わり方についても深く考えさせられる発表でした。

  • 弥久保ゼミ発表
    弥久保ゼミ発表

福王ゼミ:福王ゼミクイズ 『人間の尊厳』から考える~人権・環境・平和~

福王ゼミは、4年生の研究テーマについて「人間の尊厳」を軸にまとめ、クイズを挟みながら、リレー形式で発表を行いました。冒頭のクイズ、「人格の本質とは、欲望か理性か?」には、迷わず正解に手が上がりました。
テロ、平和維持活動、著作権、児童労働、環境問題、フェアトレード、動物愛護、LGBT など、幅広い分野にわたってゼミ生の専門性が活かされた発表でした。
タイミングよく出題されていて楽しかったなど、クイズは大変好評でした。また、人間の尊厳から環境問題をとらえる視点がとても興味深かった、異なる内容を幅広く取り上げていたが、共通のテーマ「人間の尊厳」が軸になっていたのでわかりやすかった、ゼミ生の異なる研究から共通課題を見出していて感心したという感想がありました。

  • 福王ゼミ発表
    福王ゼミ発表

杉野ゼミ:X国の民族弾圧事案に対する緊急国連安保理会合

杉野ゼミは、3年生が中心となり、国連による国際問題解決の難しさを劇仕立てで紹介しました。ゼミ生が考えた架空の事案に対する安保理会合の場で、少数民族の人権保護を主張する国、民族弾圧国への武器輸出国、紛争に自国民が殺害された国の思惑が交錯する中、安保理の取るべき措置を選択肢の中から参加者の投票で決定しました。
実演によって聴衆を巻き込むことができ、理解につながった、各国の立場によって結果が左右されることがよくわかった、聴衆の多数決で劇の進み方が変わるのはおもしろいなど、臨場感が評価されました。

  • 杉野ゼミ発表
    杉野ゼミ発表

臼井ゼミ:文化のグローバリゼーションについて

臼井ゼミでは研究テーマを文化という切り口でまとめました。高校野球、ディズニーランド、ダンス、ロック、クールジャパン(カワイイ文化)、タトゥ、宝塚といった文化が、海外からどのような影響を受け日本流に変わっていったのか、その変遷をたどりました。
聴衆からは、一人一人のテーマへの熱が伝わってきた、海外の文化を日本流に取り入れてそれが受け入れられたり、逆に日本のカワイイ文化が海外の若者文化に取り入れられたりしているのが面白いといった感想が寄せられ、個性がキラリと光る発表でした。

  • 臼井ゼミ発表
    臼井ゼミ発表

今回の発表は、各ゼミの特色が良く反映された、国際関係コースでの学びの多様性を示すものとなりました。質疑応答では、学生が率先して手を挙げる姿が見られ、日々のゼミにおいて「質問力」が鍛えられた成果がうかがえました。来年度、新たなゼミ生を迎え、どのような発表会になるのか、今から楽しみです。

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