はじめての専門ゼミ合宿

人間関係学科のゼミには、1・2年時の「基礎ゼミ」と3・4年次の「専門ゼミ」があります。基礎ゼミは、たとえばレポートの書き方のように、大学生活に必要な基礎知識と技能を養うのが目的で、名簿順にクラス分けされ、学生は教員を選ぶことができません。これに対して専門ゼミは、学生が自分の興味ある研究分野と教員を選んで入るため、はじめて大学生に応しい勉強ができる場です。そんな専門ゼミで90分授業のほかに実施する「合宿」は、集中して勉強できる機会というだけでなく、ゼミ学生同士の親睦を深めるという意味でも大切なイベントです。今回は私の「メディア文化ゼミ」の夏合宿の模様を報告します。

2013年にリニューアルした人間関係学科では3年生が一期生に当たります。ですから今回が最初の専門ゼミ合宿です。そんな記念碑的な合宿の場所はどこにしようかと迷いました。距離的には箱根あたりが最適なのですが、最終的に選んだのは、河口湖に面し富士山が背後にある風光明媚で明るくてきれいなホテルです。露天風呂付きの天然温泉宿で本当に勉強できるのか不安でしたが、学生同士の親睦も兼ねているのですから“良し”としましょう。

実際に実施してみると意外と時間が少ないことに驚きます。朝10時に高速バスで、東京を出発し、河口湖に到着するのが13時(実際は渋滞で30分遅れ)、ランチ後に宿の送迎バスに乗り、合宿開始時の説明事項を終えた後に勉強をスタートできたのは15時近くです。せっかくの天然温泉なので景色を見ながら入浴できるように18時に勉強を終えて19時からの夕食に備えると、わずか3時間強しかありません。学生たちは「えー、3時間も勉強するの!」と叫んでいましたが、私のゼミは映画を通して文化と社会を考えるのがテーマですから、最初に映画上映を行います。簡単な説明のあと2時間の映画を見たら、実質的な討論時間は1時間もありません。通常の授業より短い勉強時間です。

これでは不足なので夕食後にも続きをやろうと提案したら「買い出しに行く時間がなくなる」という理由であっさり拒否され、結局夕食後はそのまま21時からの親睦会になだれ込みました。ゼミ学生13名に会議室は広すぎるので、学生達の一部屋(約12畳)ですし詰めです。私はお酒が飲めないので早々に切り上げましたが、学生達は遅くまで盛り上がっていたようです。翌日は7時30分からの朝食後、8時半から11時まで、もう一本の映画を鑑賞して簡単な意見交換を行いました。天候がパッとしなかったので11時半の高速バスで全員そのまま帰京して無事合宿終了です。

落ち着いて討論する時間があまり取れず、ゼミ合宿らしい集中した勉強はできませんでしたし、河口湖は交通機関が少ないので学生にとっては観光しにくい場所だったかもしれません。しかし、学生たちがすごく仲の良い雰囲気で過ごせたのは収穫でした。ゼミ合宿は授業の一環ですから、学校から合宿費用の補助を受けられます。補助対象は年間2泊までで、あと1泊分の補助余地がありますから、春にもう一度開催したいと考えています。その時にはもっと東京の近くで、徒歩などで観光できる場所が良いでしょう。

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(小林憲夫・メディア論)

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