社会も注目! 資生堂寄付講座

石田かおり(哲学的化粧論)

今年度の資生堂寄付講座「化粧文化論」は、前期の授業が佳境に入りました。洗顔とスキンケアの授業を終えて、受講者がもっとも楽しみにしていたメーキャップを実施中です。
6月3日は眉と目の描き方を学修しました。眉はほんのわずかなカーブや角度、長さの違いで、顔全体の印象がまったく異なります。左右対称に描くのも難しいですが、さらに、就職活動に適した眉、デートに適した眉、友達との買い物やライブで盛り上がりたいときの眉など、TPOによって使い分けたいものです。それゆえこの授業では、眉と目のメーキャップにもっとも時間がかかります。
今期は、日本全国で約12,000人の資生堂ビューティーコンサルタントの中から厳しい審査に勝ち抜き、資生堂ビューティースぺシャリストになるための勉強をしている、西尾麻衣子さんが実習の指導に当たられています。

  • パワーポイントで説明を受けた後のデモンストレーションパワーポイントで説明を受けた後のデモンストレーション
  • 教室を巡回し、一人一人の悩みに応じて細かく指導教室を巡回し、一人一人の悩みに応じて細かく指導

この授業は今年2度も、全国に知られた新聞と雑誌に、その特色ある教育内容が紹介されました。3月2日の日本経済新聞朝刊と、光文社発行の『女性自身』6月7日号に、どちらも大きなスペースを占める形で取り上げられました。社会から注目されている証ではないでしょうか。

いずれの記事も、企業が大学で実施している寄付講座の特集の中ですが、お化粧の寄付講座がある大学は全国でも珍しいそうで、「女子大学だからこそできる」とよく言われます。共学ではお化粧の印象についての学修はできますが、実習となると性別に応じて異なる内容にせざるをえないので、実習型の授業は難しいかもしれません。

人間関係学科はコミュニケーション力を核にした学科です。コミュニケーションの学修というと、多くの人が思いつくのは言語によるものですが、コミュニケーション全体のうち、言語コミュニケーションが占める割合は1割にも満たないという研究があります。残りは非言語コミュニケーションで、お化粧もその1つです。就職活動にふさわしいお化粧ができる必要があるだけでなく、社会人としてもさまざまな場面にふさわしい化粧表現が女性に求められているので、お化粧の授業は社会人基礎力の育成とも言えます。

  • 教室の前後にあるモニターに真剣に見入りながら説明を聞く教室の前後にあるモニターに真剣に見入りながら説明を聞く

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