学園祭実行委員会の仕事から学んだこと

人間関係学科3年 武藤 由記
(2013年度学園祭実行委員会委員長)

聞き手: 横田千鶴(2年 同委員)、濵田千夏(1年 同委員)

2013年10月に開催された第19回りんどう祭のテーマは「GIRLS PARTY !」。新しい企画も盛りだくさんで大盛況のうちに終わりました。今年度の学園祭実行委員会委員長を務めたのは、人間関係学科3年の武藤由記さん。りんどう祭2013をふりかえって、同委員の横田千鶴さん(同2年)、濵田千夏さん(同1年)とともに仕事の手応えやエピソードなどを語り合ってもらいました。

濵田:武藤先輩の仕事ぶりをはたで見ていて、コミュニケーション能力の高さというか、周りの人のことをよく見て気配りしているのがすごいと思いました。

  • 武藤 由記 (3年 2013年度学園祭実行委員会委員長)

濵田:武藤先輩の仕事ぶりをはたで見ていて、コミュニケーション能力の高さというか、周りの人のことをよく見て気配りしているのがすごいと思いました。

横田:先頭に立ってみんなを引っ張っていくというよりは、メンバーを盛り上げて後ろから押していくというタイプのリーダーシップで、すごく意見を言いやすかった。新しいことに挑戦し、みんなで楽しもうというマインドにあふれていました。

武藤:じつは、自分が委員長を務めるとは思ってもいなかったことで、4月の時点では不安しかなくて…。そのうちに、メンバーや教職員の方々など、周りの人たちが協力し蔭で支えてくれていることがだんだん見えるようになってきて、自分のためではなく、みんなのために頑張らなきゃと思えるようになり…。けれども、「みんなを“指導”したり、グイグイ引っ張っていったりすることは私にはできない」という思いを最後まで引きずっていました。自分のなかでは「みんなが自然と委員会室に足を運びたくなるような雰囲気を作りたいな」という目標があったのですが、本番終了後のミーティングでみんなが達成感で涙を流し、「武藤先輩がいなくなるのが寂しい」と言ってくれる姿を見てはじめて、自分でも気づかないうちにその目標を実現できていたのかなと実感しました。

濵田:委員会室に行けばいつも何か楽しいことがあり、〔1年生の自分でも〕何かしら仕事を任されるようになり…。多くの人に自分のことを覚えてもらい、声をかけられるようになり、そのことがとてもよかったと思えます。

横田:学祭実行委に入ったからこそ、学科やサークルを越えて大勢の人たちと関わりを築けたと実感しています。他大の学祭実行委員と比べても、大学がコンパクトな規模であるからこそ、ひとりでいろんな業務を経験でき、貴重な体験が幅広く得られるのは大きなメリットだと思います。アルバイト先の先輩に話したら「そんなことまでやってるの」と言われ、誇りに思いました。

  • 14001_02

  • “左:横田さん、右:濵田さん

横田・濱田:学祭の仕事を通じて学んだことってどんなことですか。

武藤:マネージャーの役割についてたくさんのことを学んだ気がします。たとえば、「こうしたい」というみんなのアイデアを、「学園祭全体のためには何がベストか」という視点で判断しなければならないし、自分も同じ学生の立場でありながら、役職上、時には指示を出したり、ミスに対して注意をしたりしなければならない…。自分自身が所属していた部署以外の仕事についてはまったく素人であっても、マネージャーとしては全部の部署の案件について理解し責任を負う必要がある…。「みんなのことを支えなきゃ」という立場だったけれど、じつはみんなに支えられていたと思うことがたくさんあります。

横田:他人のいいところに気付いてそれを応援するタイプのリーダーシップでしたよね。…私自身は、部署運営に関して、メンバーの個性や組み合わせなども頭に入れながら適材適所で人員配置を考えることがとても重要だと改めて思いました。

濵田:いざ仕事をいろいろとあてがわれてみると、忙しい状態もそれなりに楽しめるということに気付きました。

武藤:自分の性格から、他の人に“仕事を振る”ということがあまりできず、それが結果的に後輩を育てることにつながらなかったかな、というのが反省点。ただ「よろしく」ではダメで…、他人に仕事を任せるって、じつは大変なことだと感じました。

武藤:学生という立場で、ある意味で「仕事」、ある意味で「遊び」でありながら、本気で何かに取り組ませてもらえる期間って、たぶん今しかない…。だからこそ楽しめたのではないかと思います。

濵田:学祭実行委員をやっていると本当に交友関係が拡がる。上級生とも親しくなれるし、フツーの大学生活を送っていたらなかなかそういうものは得られない気がします。

横田:ホントに楽しかった。友人から「委員会室に行くの、好きだよね」って言われました(笑)。

武藤:つらい、頭がパンクしそうという場面は何回もあったけど、「辞めたい」と思ったことは一度もなかったな。

  • 14001_04

武藤:〔大学生のうちに〕ゼッタイ、何かを始めたほうがいいと思います。たしかに面倒くさいと思うかもしれないけれど、一度いいチームワークというものを体験すると、その感動にハマってしまう…。大変だった体験を共有すると、周りの人とわかり合えるようになるし、絶対的な信頼が生まれ、自信がもてる。自分の世界が拡がるってこんなに楽しいことだというのは、体験してみないと理解できないかもしれません。自分の普段の生活とは違う、もうひとつの別な世界を大学生活のなかにもってみること、それはゼーッタイ楽しいって保証できます。

取材: 2014.02.07

学生・卒業生の横顔 :新着投稿