【地元発見プロジェクト】「ありがた山の石造物調査」を実施しました
2026/01/23
博物館学芸員養成課程の基礎選択必修科目「地域文化概論」は、地域文化の調べ方や文献史料の読み方を身に付け、地域に残された資料を根拠として各地の地域文化の魅力を発見し、そこから日本文化の特徴を考察することを学修目標とした授業で、1年生から履修可能です。この科目では、歴史・民俗系の地域博物館の学芸員に必要な知識や技能が修得できます。
通常の授業では、江戸幕府の編纂による武蔵国各地の地理および歴史的事項を網羅した『新編武蔵風土記稿』のなかから、大学が所在する東京都稲城市域の名所旧跡を取り上げ、受講生の皆さんと一緒に読解・考察しています。こうした地域資料の読み方や捉え方を身に付けたうえで、受講生には各自の地元の名所旧跡を一つ選んで調査し、その魅力やそこから考察した日本文化の特徴について発表してもらっています。

妙覚寺
ありがた山
ところで、京王よみうりランド駅の近くにある妙覚寺も、『新編武蔵風土記稿』から取り上げ、授業で読んでいる名所旧跡の一つです。この妙覚寺の境内には、「ありがた山」と呼ばれる場所があり、4000基以上の石造物が集められています。これらの石造物は、大正12年(1923)の関東大震災で被災して無縁となったもので、戦前に旧東京市の小石川区・牛込区・本郷区から運び込まれました。稲城市に直接かかわる資料ではないこともあって、現在に至るまで本格的な調査は実施されていません。
そこで、令和元年(2019)より、まずは「ありがた山」にどのような石造物が存在するのかを確認するための基礎調査を、本学の学生さんとともに少しずつ進めています。本年度は11月22日(土)に【地元発見プロジェクト】「ありがた山の石造物調査」と題して、「地域文化概論」の受講生の皆さんとともに調査を実施しました。
今回調査対象とした石造物のなかには、たとえば、越後新発田藩6万石の大名溝口氏の分家で、5千石の交代寄合横田溝口氏の9代当主溝口直静(文政9年〈1826〉5月8日没)の墓石なども、含まれていることが確認できました。以下は調査に参加した受講生の感想の一部です。
- 石造物に刻まれている文字には旧字や異体字が多く、また、文字も磨滅していて読解するのが大変でしたが、良い経験になりました。
- 戦前の人たちが、都心から離れた山中まで、これほどの数の石造物を運んできた労力に驚きました。
- 「ありがた山」には想像以上に多くの石造物があったので、関東大震災で所在が不明になっている貴重なものも見つかるのではないかと感じます。




