世界で見つけた驚き ~異文化を楽しもう!~ ヨルダン編 その1
2015/09/25
国際文化学科 杉野 知恵
今回からは、ヨルダンを中心にシリアやイエメンについても触れたいと思います。ヤッラー(Let’s go! という意味のアラビア語)!
中東にも雪が降るってホント?!
まずは、○×クイズです。
「ヨルダンでは冬に雪が降ることがある。○か×か。」
答えは○です。私も実際に体験するまでは灼熱の砂漠で雪なんてありえないと思っていました。ヨルダンの首都アンマンは標高が高く、海抜は約900mです。日本でいえば軽井沢くらいです。したがって、中東地域の中でも夏は比較的過ごしやすく、特にサウジアラビアなどの湾岸諸国から多くの人々が避暑に訪れます。一方、冬には氷点下近くまで気温が下がることもあり、年に数回雪が降ることもあります。ウソ~とまだ信じられない方のために、証拠写真をお見せしましょう。ヨルダンだけでなく、近隣諸国でも雪が降り、ヨルダンのすぐ西にあるイスラエルやレバノンには、なんとスキー場まであります。
アンマンでの降雪
道路沿いに残る雪(左とは別の年)
アンマンから車で一時間弱、ヨルダン渓谷を下ると死海があります。死海に浮かんだ人が新聞などを読んでいる写真を見たことありませんか?あの死海です。死「海」といっても海ではなく湖です。湖ですが、海の塩分濃度の10倍もあります。なんだか混乱しますね。塩分濃度が高いため、浮力が大きくなり、簡単に浮いてしまうのです。しかし、小さな切り傷などがある場合はこの塩がしみて猛烈に痛みますのでご注意を。
死海の海抜は約-400mで、アンマンとは1300mの高低差があります。そのため不思議なことに、アンマンは大雪なのに死海では太陽が燦々と輝いており、たった1時間で冬と夏を体感できてしまうのです。さらに死海のすぐ近くには温泉があったりするなど、ヨルダンにも驚きがたくさんあります。
ヨルダンから見た死海
(対岸に雲のように見えるのは
パレスチナ自治区)
次回は、ローマ遺跡やキリスト教などの聖地をご紹介します。マァッサラーマ!(アラビア語でさようなら、元の意味はGo with peace.)