国際文化学科教員による授業紹介リレー No. 12 「映画の英語」

英語コミュニケーションコース 松山 響子

美術館や劇場に足を運んだことがないという人は多々いると思います。しかし、映画を見たことがないという人を探すのは難しいと思います。そのくらい映画というものは私たちの身近にあります。

「あなたはどっち?」

あなたは外国語の映画を見るとき字幕で見ますか、吹き替えで見ますか?吹き替えだと役者や声優、俳優が日本語を話してくれるからノリも気持ちもよくわかりますよね。字幕は読まなきゃいけないから面倒くさいと思っていませんか?実は字幕にこそ英語の勉強に大切なものがたくさん詰まっています。

「身近なものを使おう」

映画はエンターテインメントなので楽しいです。その楽しい素材を使って英語の勉強ができたら素敵ですよね。特に主人公があなたに身近であればあるほど、あなたが使う可能性が高い英語を主人公が使います。つまり、あなたが使いたい英語を多く聞くことができるわけです。

「無駄なセリフはない」

映画に出てくる台詞に無駄な台詞はありません。全ての台詞は映画のストーリーを動かすために使われます。その台詞をわかりやすく、雰囲気を壊さずなおかつ迅速に伝えるのが字幕です。そして無駄な台詞がないように、無駄な字幕もないのです。

「短い中に全てを詰める」

英語の台詞を全て字幕にすれば内容を理解できないということは起きません。しかし人間が一回で読み取れる文字数には限界があります。一回に表示される字幕は20文字までが一般的で、1行あたりの文字数は10字から14字と言われています。字幕はこの限られた字数の中に台詞のエッセンスを詰め込んだものです。従って字幕を作るには英語の台詞を理解するだけではなく、それをわかりやすい日本語にして、一目で観客にだれが(男性か女性か、大人か子供か)、なにを(怒っているのか、困っているのか、諦めているのか、頑張っているのか)しているのか伝えなければなりません。

「台詞だけでは伝わらない」

字幕を作るには、単に台詞をわかりやすく伝えるだけでは言葉足らずになることもあります。これは時として文化的なことも伝えなければならないからです。なかには単語を訳しただけでは伝わらないこともあり、補足説明が必要になります。当然ですが、補足説明も字幕の限られた字数の中で伝えていかなければなりません。台詞と補足説明を効果的に織り込んだ字幕を作成する。この作業を通して海外の文化事情を意識して学ぶことが出来ます。

このように字幕をじっくり作成することで、いまの自分に必要な英語をしっかり学び、文化的背景も知ることで、自分にとって適切な英語を身につけることが出来ます。大変だけれど楽しい字幕作りを「映画の英語」であなたも学んでみませんか。

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