国際文化学科教員による授業紹介リレー No. 5 「旅行法規」

観光文化コース 國分 浩

旅行会社では、全ての支店・営業所に最低1名の「旅行業務取扱管理者」を配置しなければなりません。国内のみを取扱う場合は「国内旅行取扱管理者」、海外も取扱う場合は「総合旅行取扱管理者」を配置します。

この授業では一般知識として「旅行法規」を学習する一方、在学中にこれらの資格を得るための国家試験にチャレンジする学生も多数います。特に、国家試験問題の2/3が「旅行法規」に関する出題であるため、大変重要な科目となっています。

「旅行法規」は「旅行業法」と「旅行業約款」に分類され、前者は旅行業者に対する法律であり、これに違反すると旅行業登録の抹消や刑事罰が課せられます。また、後者は旅行者との契約であり、違反した場合は損害賠償の対象となります。

いずれにしても、将来旅行業に携わる人は「旅行法規」を学習し、お客様対応しなければなりません。本学では通常授業の他に、「夏期集中講義」を設け、国家試験受験を支援しています。

また、旅行は目に見えない商品であり、旅行者との間に誤解が生じる場合も多く、これに対応するために毎年「旅行業法」や「旅行業約款」が改正されています。近年、最も大きかったのは2005年の業法改正で、「旅程保証制度」の改正が最大のポイントとなりました。これは、契約書面で約束したサービスが受けられない場合、旅行費用の(1〜5%の)「変更補償金」を支払うことを約束したものです。

ツアーパンフレット又は確定書面(最終日程表)に記載された日程、航空機、ホテル(設備やビュー)などが変更になった場合、旅行者からの請求が無くても「変更補償金」を支払わなければなりません。

旅行業者にとっては大変厳しい内容ですが、これら旅行者保護の考え方は旅行者にとっては安心を担保できるものとなっており、旅行商品の品質向上に貢献したことは間違いありません。

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