国際文化学科教員による授業紹介リレー No. 3 「国際政治」

国際関係コース 臼井実稲子

前回の羽鳥教授の「異文化理解」紹介では、1963年のアメリカのことが記されていました。まさにその年の11月22日、テキサス州ダラスでオープンカーに乗っていたケネディ大統領が暗殺されました。世界に衝撃を与えた若き大統領の死。それから50年後、彼の愛娘であったキャロライン・ケネディがアメリカの新駐日大使として、オバマ大統領からの信任状を天皇陛下に手渡すため、馬車で皇居に向かう姿が報じられました。

このような今世界で起きているニュースをひとつのきっかけとして、現代国際政治への理解を深めることが、私の担当科目「国際政治」の目的です。戦争や紛争だけでなく、日々地球上でおこる様々な問題を読み解くためには様々な角度からの分析が必要です。中でも、歴史的考察は欠かせません。

そして、履修者に求められるのは、国際情勢への関心です。グローバリゼーションが進行する国際社会では、日本からはるか遠い地域の出来事を「対岸の火事」として扱うことは出来ません。世界の出来事に無関心な人々が増えれば、地球上にはさらなる苦しみや痛みが生じることになるという担当者の思いから、動画ニュースを用いて、学生の関心を高めるよう努めています。

先日、この授業で新しい試みを行いました。それは、日本学術振興会の外国人招聘研究者として本学が受け入れた、ジャンムーラン・リヨン第3大学准教授のDr. Eric Degilaをゲストに迎えて、英語を交えながらの双方向型の授業でした。まず、前週の授業で、先生の母国、ベナン共和国についての基本情報、アフリカ情勢について学び、当日は、ベナン大使館が編集した日本語字幕付きの映像資料を見た後、学生から英語で質問し、ゲストが英語で答えるという形式をとりました。

質問が出ないのではないかという担当者の心配は全くの杞憂に終わりました。学生からの積極的な質問は授業時間内におさまらず、中には、フランス語で質問をする学生もいました。出席した学生のひとりは「外国への関心を持つことも重要だが、自国の文化に誇りを持ち、大切にすることも重要だ」というDr.Degilaの話が特に印象に残ったという感想を寄せてくれました。その場で質問できなかった学生たちも、いつになく真摯な理解しようとする姿勢が印象的でした。

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