人間関係学科では今年も資生堂寄附講座を実施中

昨年度から開講した資生堂寄附講座(科目名「化粧文化論」)は、今年度も人間関係学科2年生を対象に実施中です。

今年も洗顔料の泡立てから始めました。帰宅して早速授業の通りに実施してみた学生は、自分がふだん使っている洗顔料も授業のときと同じくらいしっかりした泡が立つことがわかって驚いたり、自己流の泡立て方の間違いに気づいたりしたと言います。

  • 洗顔の技術指導
    洗顔の技術指導

今年度改善したことは、資生堂ビューティースペシャリストによる技術指導のうち、メーキャップの回数を1回増やしたことです。メーキャップの技術指導には資生堂ビューティースペシャリストのほかにアシスタント(資生堂ビューティースペシャリストになるための課程を履修中のビューティーコンサルタント)が毎回1名参加して、2名で実施します。実演しながら説明するときにメーキャップを施すモデルが必要だからです。説明後の実習時に2人は何度も教室を巡回し、学生ひとりひとりの様子に細かく目を配りながら個別指導をします。しかし、それでもメーキャップの習得には時間がかかります。肌作りだけで1回の授業が必要です。目元(目と眉)のメークも難しいのでそれも1回を要します。すると、口元や頬のメークと応用メーク(冠婚葬祭など社会人の諸場面に応じたメーキャップ)の時間が取れなくなる問題が生じたので、それを解決しました。

  • メーキャップの技術指導
    メーキャップの技術指導

駒沢女子大学の教育の特色はテーラーメイド教育です。それは「自主自立をめざした面倒見ある教育」と言い換えられます。ですからこの授業は「授業で習った技術は全員が自分でできるようになる」を目標にしています。その点については資生堂にもよくご理解・ご協力をいただき、技術指導の回は授業終了時に毎回アンケートを取り、「できなかった」という回答を見つけたら次の回にその点を詳細に指導しています。また、授業には美容技術指導のプロ中のプロを送り込んでいます。ビューティーコンサルタント(店頭でカウンセリングと販売をする人)は近所のお店にいて、気軽に相談したり指導を受けたりすることができる便利で頼もしい存在ですが、資生堂ビューティースペシャリストは、日本国内12,000人のビューティーコンサルタントの中から厳しい選別を経て、3年間特別に教育を受けた美の伝道師です。日本全国だけでなく海外からも依頼が相次ぎ、国内外を飛び回っていますから、私たちが指導を受ける機会は滅多にないのが実際のところです。

今期参加されている資生堂ビューティースペシャリストは加藤芳(かおり)さんです。加藤さんは昨年ビューティースペシャリストになるための専門教育を受けていたときに、前期も後期も技術指導のアシスタントとしてこの授業に参加されたばかりか、「りんどう祭」(学園祭)の特別企画としてのメーキャップ講習会では講師も務められ、駒沢女子大学の学生をよくご存知ですから、学生に合った指導という点でまたとない先生です。

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自分のことを振り返れば、20歳の誕生日近くまでメークをしたことがなく、成人式の写真のためにメークを習いたいが、どこに行けばよいか困った記憶があります。当時に限らず、社会人になる前にスキンケアやメーキャップについてプロから知識と技術を体系的に伝授される機会を持つことのできる人は、いまでもきわめて少ないでしょう。正しい知識と適切な技術は、単なる外見美を求めるためでなく、健康な皮膚のためにも、そして、自分に自信を持ち、円滑な人間関係の中で社会生活を送る上でも、たいへん重要です。そのため私は「化粧教育」を社会に提案し、この授業もその一環ととらえています。

  • 昨年前期の授業を化粧教育の観点から論文にした
    昨年前期の授業を化粧教育の観点から論文にした

(石田 かおり)

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