大学での勉学の総仕上げ 「卒業論文」

大学での研究生活最後の仕上げに、卒業論文があります。人文系の卒業論文は、400字詰め原稿用紙に換算すると50枚程度が一般的です。「原稿用紙50枚」と聞くと、本1冊が書けるように感じるかもしれませんが、市販の書籍でもっともよく見かけるサイズは400字詰め原稿用紙で約300枚というところですので、その6分の1ですから、1冊の本になるような分量ではありません。

そうは言っても、小中学校の作文や日常の手紙でこれほどの分量を書くことはないため、「そんなにたくさん何を書くのか」と不思議に思うかもしれません。また、「そんなにたくさん自分にも書けるのか」と不安に思うかもしれません。しかし、その疑問も心配もまったく無用です。

なぜその研究を始めたのか(研究動機)、どんな手順で研究したのか(研究方法)、自分が研究する前に世の中に同じような研究がないか探し(先行研究)、どんなことがその研究からわかったか、自分で調べて考えたことは何か(研究の過程と結果)、自分の考え(結論)、という風に順を追って書いていけば、自然と書くことができる上に、一定の分量に達します。

いままで私のゼミで提出した卒業論文のテーマをいくつかご紹介しましょう。

今年は「日本女性の『大きな目』信仰」というテーマで提出した学生がいます。そこで、この論文の著者である高村七海さんに、概要と、書いてみた感想について原稿を寄せてもらいました。

(ここまで 石田かおり)

卒業論文執筆を終えて

人間関係学科4年 高村七海

  • 卒業論文執筆を終えて

現在、日本女性の大きな目への憧れはとても根強く、目が大きければ美しいと信じている人が多くいます。なぜ大きな目が美人なのかを考えたことはありますか。その理由もわからずに自分は大きな目ではないから美しくないと決めつけてはいませんか。この研究は、その「なぜ」を考えたものです。「なぜ」を研究した結果、そうでなくとも美しくなれる理由を論じることが出来ました。そして自身の容姿をもっとポジティブに考えるコツと、「美しい人」のあり方についての提案をしました。

論文の書き方も、研究のやり方も全くわからないところからのスタートでしたが、先生方に手厚い指導をいただき、書き進めることが出来ました。研究の進め方、アンケートの作成と集計方法、研究内容に関連する様々な授業など、どの分野でもプロフェッショナルが揃っていて、とても心強かったです。そして、この論文を書いたことで、大きな目の「なぜ」が明らかになっただけではなく、調べたことをわかりやすく正確にまとめるという、社会人になってからも必要とされる力を身につける練習にもなりました。難しいことももちろんありましたが、ひとつの「なぜ」について考え、調べ、言葉にしていく学生生活はとても楽しく充実していました。

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