世界を舞台に活躍するKomajo卒業生大いに語る③

登壇者の紹介(50音順)

加藤 歌織さん
現在、シンガポールの日本企業現地支店に勤務。英語だけが使用されている職場で活躍中。
土屋 璃香さん
青年海外協力隊員(セネガル)、あしなが育英会セネガル事務所を経て、現在、日本国際協力センターに勤務。
新野 佐和子さん
青年海外協力隊員(ペルー)、メキシコでの勤務等を経て、現在、JICA職員。グアテマラでジェンダー問題に取り組んでいる。

「世界を舞台に活躍するKomajo卒業生大いに語る」の最終回として、ジェンダーやITについて伺ったことをお伝えします。

Q.人間関係専攻教授の小林です。各国のITインフラについて教えてください。

新野さん:首都グアテマラ市の中でも外国人の多い地域は問題なく使用できます。首都を離れるとネット環境が整っているのは県庁所在地に当たる地域のみで、山岳地域ではまだまだです。携帯電話も旧式の電話機能のみのものです。コロナ禍によるオンライン授業ができたのは国全体の30%程度でした。

土屋さん:セネガルでは首都は問題ありません。地方に行くと、そもそも電気が供給されていません。若い人はスマートフォンを持っていますが、60代以上の人は初期の携帯電話を使っています。固定電話もありませんが、私は在住していた5年間に困ったことはありませんでした。

加藤さん:シンガポールはIT環境が整っていて、買い物も公的な書類もネットで済ませます。外食文化の国であることはお伝えしましたが、割り勘にするにもキャッシュレスで、その場で送金し合うくらいです。

Q.再び、小林です。各国で女性が働くことも含め、ジェンダー問題に対する意識について教えてください。

土屋さん:セネガルはイスラム教の国で、一夫多妻制です。女性の立場は一般的に弱いと思いますが、首都では女性も働いています。子育てシステムや家族のサポートを利用した共働き世帯も多いです。私が受ける感じでは、イスラム教の国とは言え、女性進出は日本より進んでいる感じを受けます。

加藤さん:シンガポールは男女問わず、就業しています。家族を大事にしている国民で、有給休暇以外にも子どもに対する手当があり、申し訳ないなど思わずに育児休暇を取得できます。外食文化が発達している国で、女性も男性も家で食事を作るということはありません。外食は美味しいのにお手頃価格です。

新野さん:私はグアテマラのJICAでジェンダーを担当しています。首都と地方での違いが大きくあります。国民の60%はマヤ系の人で、25の言語があります。マヤの女性は家から出ないこととなっていますが、貧困のため、女性も働かなくてはなりません。NGOが最初にすることは、女性でも働く権利があると教えることです。首都では、妊娠、出産した女性でも仕事に復帰しています。

Q.人間関係専攻教授の臼井です。最後に、現在のKomajo生に一言お願いします。

加藤さん:私は以前から英語が好きでしたが、もっと英語力をつけたいと思っています。学びには自分の好きなことをモチベーションにしてください。やらない後悔より、やって後悔です。

新野さん:私は在学中に多くの先生の研究室にお邪魔し、想像もしないようなアドバイスをいただきました。在学生の皆さん、先生方とたくさん話してください、友人を大事にしてください。全力で取り組める仲間と出会えたことが、私の今につながっています。また、今日のこの会をきっかけに、私に連絡してください。そして、ぜひグアテマラに来てください。


臼井:終了の時刻となりました。終了に際し、太田洋先生、加藤ナツ子先生、井戸桂子先生方からお言葉をいただきましたことに感謝いたします。今日のこの会が現役生に良い刺激となることを願って、会を終了します。登壇者の皆さま、ご参加、ご視聴くださった皆さま、ありがとうございました。

3回にわたってお伝えしてきたように、多岐にわたる内容でしたが、登壇者の皆さまの言葉はとても示唆に富み、在学生も教員も良い刺激を受けました。会場ではしっかりと感染症対策を行い、学外の方々とはオンラインでつなぐという新たな方法で実施したことで、大学までおいでになることが困難な卒業生方が参加しやすくなるための新たな方向性を示した会となりました。

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