官学連携 “ 稲城市 × 駒沢女子大学 ”アクティ部主催 外来生物駆除ボランティア ― アメリカザリガニをザリチリにして美味しく駆除 ―

日 時 平成27年11月1日(金)9:00〜16:30
場 所 稲城市 上谷戸親水公園(稲城市若葉台1丁目2番21)
主 催 駒沢女子大学・駒沢女子短期大学 アクティ部
共 催 稲城市市民部環境課
協 力 国際ソロプチミスト稲城
参加者 アクティ部員7名、一般学生8名、教職員3名、その他関係者12名

平成27年11月1日(日)、稲城市若葉台にあります上谷戸親水公園において、アクティ部主催のボランティア活動が行われました。
今回は、昨年度の三沢川清掃とは趣を変え、ホタルの幼虫をはじめ、在来種の魚や水草などを食べてしまう、環境省から要注意外来生物に指定されているアメリカザリガニの駆除を行いました。

従来の生態系に悪さをするアメリカザリガニではありますが、実は昔、ウシガエルを食用にするため、その餌として日本に持ち込まれたのだそうです。1927年に鎌倉に11匹のアメリカザリガニが持ち込まれたのが始まりでしたが、結局ウシガエルは食料として定着せず、そこから逃げ出して全国に広まってしまったそうです。

アメリカザリガニが悪いというよりは、持ち込んだ人間がまねいたことなのです。  そんなアメリカザリガニをただ駆除して殺してしまうのではなく、調理して食べることでその命を無駄にしないようにという思いで、稲城市市民部環境課のご指導をいただきながらアクティ部の部員たちが計画を立てました。
今回調理したのはエビチリならぬザリチリ、唐揚げ、みそ汁です。

  • ザリチリ
    ザリチリ
  • ザリガニ唐揚げ
    ザリガニ唐揚げ
  • ザリガニみそ汁
    ザリガニみそ汁

当日の流れ

①外来種駆除について説明(30分)

稲城市市民部環境課の方よりパワーポイントを使っての講義。
(稲城市内の生物のことや、生物多様性、外来種についての講義をしていただきました。)

  • 稲城市内の生物のことや、生物多様性、外来種についての講義をしていただきました。
    稲城市内の生物のことや、
    生物多様性、外来種についての
    講義をしていただきました。
  • 駒沢学園入口交差点付近に生息する外来植物セイタカアワダチソウ
    駒沢学園入口交差点付近に
    生息する外来植物
    セイタカアワダチソウ

②駆除・ごみ拾い実施(150分)

参加者をアメリカザリガニ駆除班とごみ拾い班に分け、途中で入れ替わっての活動を行いました。捕獲したアメリカザリガニは25匹。気温が低くなったこの時期は、ザリガニも活発には活動していないため大量にとはいきませんでした。
また、講義の中で説明のあった外来植物「セイタカアワダチソウ」をごみ拾い中にさっそく駆除した学生もいました。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

③アメリカザリガニ調理〜昼食・意見交換(150分)

アメリカザリガニは泥抜きなど適切な処理をしなければ、食用としては適さないということで、調理するザリガニは予め稲城市役所の方が用意してくださいました。

  • アメリカザリガニを熱湯で殺処分し、調理のためみんなで殻をむいている様子
    アメリカザリガニを熱湯で殺処分し、
    調理のためみんなで殻をむいている様子
  • 調理は健康栄養学科の学生が中心となり、見事に美味しく仕上げてくれました
    調理は健康栄養学科の学生が中心となり、
    見事に美味しく仕上げてくれました

今回は準備段階から、稲城市民部環境課の方と、アクティ部の部員が協力し、上谷戸親水公園の下見、ザリガニ釣りのシミュレーション、打合せ等を行ってきました。
活動当日の朝は、遅刻者や当日欠席者の連絡がスムーズに行かず、スタートが30分程度遅れてしまいましたが、講義を受け、基礎知識を得たうえで駆除活動を行い、その意味を考えながら調理して食べるという流れは、とても有意義な体験として、学生の記憶にも強く残ったのではないでしょうか。今回の活動が、いろいろと考えるきっかけになってくれればと思います。
駆除活動と清掃活動に夢中になり過ぎたことと、調理に予想以上の時間がかかってしまったこともあり、予定時間を大幅に超過してしまいましたが、全体として大成功だったのではないかと思います。
もちろん、主催したアクティ部として、反省点をチェックし、次のアクションへつなげていきたいと思います。

末筆になりましたが、今回の活動がとても充実した形で終えることができたのは、稲城市市民部環境課の多大なご尽力のお陰であり、心より感謝申し上げたいと思います。

参加学生の感想

国際文化学科3年

私は通学で稲城駅を利用しています。そこで、学校から歩いて駅に向かう途中、三沢川のほとりを歩きます。
三沢川には鴨や鯉などが生息していて、5月頃には親鴨がヒナを連れて泳いでいる長閑な風景を観察することができます。
私たちの癒しになっている三沢川ですが、時々空き缶やビニール袋などのゴミが漂流しています。
そのような光景を見て残念に思っていました。
そんな折、学校でザリガニ駆除のボランティアの張り紙を見つけました。私は稲城の川の生態に興味があったので、参加することにしました。

当日、蛍で有名な上谷戸親水公園ではまず、生物多様性についての講義を受けました。なぜザリガニが繁殖することが蛍の生態系を壊してしまうのかということがよく理解できました。
実際に川に入ってからは、ガサガサという方法でザリガニを捕獲しようと試みました。
今の時期は繁殖期が終わり、ザリガニの子供がたくさん捕獲できました。
胴長を着用して川に入ると水圧で体を支えることが大変でした。
その後、食用のザリガニを試食するという貴重な体験をしました。
ザリガニは、食感はカニ、味はエビのようでした。
想像よりもずっと美味しかったので、日本でも需要が高まれば良いと思いました。

この体験を通して今まであまり意識することのなかった生物多様性について興味を持ちました。
また機会がありましたら、ザリガニ駆除をしたいと思いました。
そして、市役所の方のお話を伺うことが出来て大変勉強になりました。
参加できて本当に良かったです。
ありがとうございました。

空間造形学科3年

11月1日、日曜日にザリガニ駆除のボランティアに参加しました。友人に誘われるかたちで、軽い気持ちで参加しましたが、生物多様性や自然の大切さ、人のつながりを学ぶことができた、貴重な体験でした。
最初にスライドで今回のザリガニ駆除の説明、稲城の自然、生物多様性などを学びました。稲城市は自然が豊かだとは思っていましたが、スライドで多くの生き物がいることを知り、自分が考えていた以上に生息していることに驚きました。今まで、紹介された生物を目にする機会はありませんでしたが、大学に在学中に目にすることができればいいなと思います。
次にザリガニ駆除を体験しました。ザリガニは冬眠するため、11月では数が少なくなかなか見つけることができませんでした。しかし、ザリガニ釣りは小学生以来だったので、楽しく、ボランティアに参加していたザリガニ釣りの得意な親子と仲良くなることもできました。私は初めて会う人と話すのが得意では無いのですが、何かを一緒に行うことで、普段以上に人と仲良くなることができるボランティアは良い機会だと感じました。
次に周辺のゴミを拾いしました。軽く見ただけではなかなかゴミを見つけることはできず、草の陰などの見えづらいところにタバコの吸殻や飴のゴミなどを見つけることができました。今まで必要にならなければゴミを拾うことがなかったのでこういった機会を大切にし、普段から拾える範囲でゴミを拾いたいと思いました。
次に命を無駄にしないためにザリガニを調理して食べました。昔一度だけザリガニを食べたことがありましたが、茹でて食べただけだったため、美味しいとは感じませんでした。しかし今回のエビチリならぬザリガニチリ、ザリガニの味噌汁は、市の職員さん方が前々から準備して下さり、健康栄養学科の方が頑張ってくれたおかげでとても美味しく食べることができました。ありがたいです。普段、スーパーに行けば食材があり、自分で収穫する機会は無いため、命のありがたみを感じ、命を無駄にしないと言う考えかたに感銘を受けました。
学んで駆除して拾って食べて交流すると言う盛りだくさんな楽しく充実した1日でした。今まではボランティアに積極的に参加したいとは思っていませんでしたが、また次の機会があればぜひ参加したいと思います。

空間造形学科2年(アクティ部)

稲城市外来生物駆除ボランティアに参加させていただき、良い刺激と発見の連続でした。今回の活動に尽力して下さった、稲城市役所環境課の方や、その他多くの関係者の方々に心から感謝申し上げます。
しかしまず初めに、とても心残りなことがあります。こちらの不備で活動開始時間が大幅に遅れ、たくさんの関係者の方をお待たせし御迷惑をおかけしてしまったことです。遅刻および欠席の連絡がぎりぎりだったりなかったりと、きちんとした連絡の伝達ができていませんでした。特に当日不参加の連絡をした1年生はまだ活動になれていない上、アクティ部部員だけではなく外部の方と一緒に協力して行う活動だということの実感がなかったのでしょう。そこは私達2年生が、活動の説明をできるかぎり詳しく説明し、外部の方々のお力をお借りしていることをしっかりと伝えておくべきでした。また、アクティ部部員としてだけではなくこれから社会に出る人間として、遅刻欠席の連絡や謝罪において最低限のマナーを守るように部員でしっかり確認しておきたいです。
反省から始まってしまいましたが、今回の活動自体はとても意義のあるものでした。丁寧な外来種問題に関するレクチャーから始まり、初めてアメリカザリガニの駆除をする側としても、不安と戸惑いも軽減された上、この活動の趣旨、具体的な方法を理解した上でアメリカザリガニ駆除に関わることができ、充実感を多く得られたと感じます。実際の駆除活動においてはザリガニの追い込みも釣りも思っていた以上に夢中になってしまい、あっという間の時間でした。また、ザリガニ以外の多くの生物も発見できて稲城にはまだ外来種からなんとか身を守って暮らしている尊い生物がたくさんいることを実感し、ますますこれからもそんな生物を守る側の人間として貢献していきたいという気持ちが強くなりました。そして、今回とても大胆な試みといえる外来種であるアメリカザリガニを実際に調理かつ試食してしまおうということに関しては、人に話したくなるような経験になり、インパクトも強まり、ただの駆除活動では終わらなかったので、記憶にしっかりと植え付けられました。
今回の活動は、私達の連絡不足や当日の集合のトラブルによって時間が大幅に変更されたことに関し、深くお詫び申し上げます。それに関してはアクティ部全体でしっかりと話し合って次の活動につなげたいです。ただ、駆除活動自体は本当に有意義なものでした。今回経験したことをこれからも胸に刻み、いつでも引き出しとして取り出せるようにしておきたいです。

日本文化学科1年(アクティ部)

私は、稲城市内外来駆除および清掃活動ボランティアを体験して感じたことはいくつかあります。まず1つ目は自然の脅威です。なぜなら外来種は繁殖してしまうと、外来種がもともとそこに生息していた生物を食べてしまうことで、その生物は減少してしまったり、さらに外来種が繁殖してしまったり、そこに生えた植物もなくなってしまうからです。2つ目は、食べ物のありがたみです。今回私たちは、ザリガニを駆除してから、生きている食用のザリガニをその場において熱湯で殺してから調理して食べました。熱湯でザリガニが殺されている時、私は本当に気の毒に思いました。なので、私はこのザリガニ達やいろいろな食べ物を残さず、大切に食べようと思いました。そして、ザリガニは少し独特なにおいはしましたが、味も食感もエビとほぼ同じでおいしかったです。3つ目は、ザリガニの駆除が楽しかったことです。私は今まで川で清掃活動やザリガニ釣りをしたことがなかったのですが、実際やってみると楽しかったです。季節的にあまりザリガニがいなかったので、今度は夏などのザリガニが生息しているときに参加したいです。そして、いつも普段できないようなことができるアクティ部の活動は新鮮でとても楽しみです。

健康栄養学科1年(アクティ部)

平成27年11月1日、私達アクティ部の活動として外来種であるザリガニの駆除と稲城市内の清掃活動を行いました。今回の活動で、ザリガニなどの外来種は生命力が強く、もとから日本にいた生物を食べてしまい生態系を壊す原因になってしまうことや、ありのままの自然を残していくために稲城市の方々が懸命に維持し続けていることを知りました。外来種の駆除ということで少しの抵抗はありましたが、やってみるととても楽しく達成感のある活動でした。また、ザリガニを調理するという貴重な体験をすることができました。
清掃活動では、普段何気なく歩いている道も注意して見てみると多くのゴミが落ちていて、まず町をきれいにすることが自然を守る第一歩なのではないかということに気がつきました。
今回の活動にはアクティ部以外にも、学校のポスターを見た人、親子連れの人たちが数人参加していました。このような活動がもっと広がり、身近なものであるということを多くの人に知ってもらいたいと思います。

新着情報:新着投稿一覧へ