教職員が結集し、本学初の遠隔授業が無事に始動しました。
2020/05/28
遠隔授業支援ワーキング・グループ統括
学長 安藤 嘉則
5月18日(月)より本学初の遠隔授業がスタートしました。当初、多くの大学で発生していた、同時一斉アクセスによる学内のサーバー・ダウンを懸念していましたが、そのような大きなトラブルもなく、現在も順調に稼働しています。
本学では、4月14日(火)に前期の授業について基本的にすべてオンラインで実施することを決定し、ただちに大学短大執行部の下部組織として「遠隔授業支援ワーキング・グループ」を立ち上げました。ワーキング・グループは、まず遠隔授業のツールの選定に着手し、KOMAJOポータルの「クラスプロファイル」とG Suite for Education(GSE)を採用することになりました。前者は主にGSEへの導入的役割を担い、後者のGSEは、3つの遠隔授業形態(課題研究型授業、同時双方向型授業、オンデマンド型授業)を展開するメインツールです。
遠隔授業支援ワーキング・グループは、リーダーの皆川義孝教授(教育研究企画委員会委員長)とサブリーダーの畠山卓也専任講師(看護学部)を中心にしたコア・メンバー8名、各学類・専攻・学科・科ごとに2名のサポート・メンバーの教員を18名配置し、さらに大学短大事務部、コンピュータ管理室の職員の協力を得て、約30名の支援体制となっております。遠隔授業支援ワーキング・グループでは、本学のテーラーメイド教育にのっとり、今回の遠隔授業で、一人でも授業を受けられないことがないように配慮することを第一としてきました。
コア・メンバーは、GSEの操作方法ばかりでなく、各部門で対応できない問い合わせを処理し、サポート・メンバーはそれぞれの部門の教員・学生への対応にあたることにしました。このサポートはメールでの対応となりましたが、問い合わせは当初、1日300件以上もあり、リーダーとサブリーダーを中心にそれぞれ連日対応していただきました。また、学内には遠隔授業を配信するための配信ブース18室を開設し、同時に遠隔授業の配信に補助が必要な教員のサポートもおこなっております。
本学にとって、もっとも大きな課題であったのは、授業開始までの短期間のうちに、教員と学生の双方が、GSEあるいはクラスプロファイルの機能を把握し、操作に慣れることでした。まず教職員がGSE操作のためのオンライン研修を受け、GSE操作のオンデマンド動画資料なども共有し、GSEを活用した授業のための教員のスキルアップを図りました。このほか、遠隔授業支援ワーキング・グループの企画として、「お試しMeet」(教員と学生自由参加型のMeetの操作方法のための研修)の開催、本学独自の動画マニュアル、FAQの作成と公開も随時おこなっています。
こうしたサポート体制について複数の非常勤講師の先生方、あるいは学生から好評価のコメントが寄せられています。たとえば、配信ブースを利用された非常勤講師の先生より、大学短大事務部の職員に、次のような学生の声をお寄せいただきました。
- Meetの授業が多いため、Meetに慣れてきて授業がとても楽しかったです。駒沢女子大学は、大学事務部やワーキング・グループに問い合わせをすると丁寧に対応してくれました。他大学の友人から遠隔授業の様子を聞いてみると、そのような対応がなく、駒沢女子大学に入学してよかったです。
また、GSEのClassroomでの実際の授業を想定し、課題提出の練習ができる「お試しClassroom」を開設したところ、800名以上の学生が参加し、その内500名以上の学生からコメントが寄せられ好評をいただきました。以下、そのコメントの一部を紹介します。
- パソコンの操作はかなり不安でしたが、動画の授業によって、操作方法も理解し徐々に慣れてきました。パソコン操作が苦手な私でもできました。また、「お試しMeet」の研修にも大変感謝しています。これで、安心して授業がうけられます。
- このように「お試しClassroom」で、課題の提出の練習ができて本当によかったです。ありがとうございます。私も含め多くの学生が体験したことのないツールです。このような体験ができる場を用意していただき、本当に良かったです!
遠隔授業の方針決定から短い期間に準備を整え、こうして無事スタートすることができましたが、現在に至るまで、学群・学類・学部の枠を越えた教員、あるいは大学短大事務部・コンピュータ管理室の職員の皆さんのご協力がありました。
今回導入したGSEは遠隔授業のための非常手段としてではなく、今後の駒女のそれぞれの授業の内容を拡充できる有効なツールであることがわかりました。緊急事態での対応ではありましたが、駒女の教育の新たな可能性を開く機会となりました。
どのような状況に置かれたとしても、一人ひとりの個性を大切にし、行学一如を体現し得る教育を実践できるよう、学生-教職員が一体となって今後も検証し続けたいと考えております。