【人間総合学群長メッセージ】人間総合学群へようこそ

人間総合学群長  羽鳥 修

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
本学のホームページほかで注意喚起されているように三密(密集・密閉・密接)を極力避け、健康管理に十分気を付けてください。皆さんにお会いできるのを心待ちしています。

人間総合学群は、2018年に既設の人文学部を改組してスタートし、今年度で3年目を迎えました。日本文化、人間関係、英語コミュニケーションの3専攻をもつ人間文化学類、観光文化学類、心理学類、住空間デザイン学類で構成され、学類に共通するのは学びの対象が「ヒト」、つまり人間に関することを多角的に研究するということです。その意味で、人間総合学群は「人間学」を学ぶ場であり、主体的に学ぶ力の育成を通じて、社会人基礎力として求められる幅広い教養力と実践力の涵養を教育目標に掲げています。1年次にはすべての学生が人間総合学群共通の教養教育を通じて教養力を身に着けるとともに、各学類の「入門科目」も学びます。こうした学習体験をもとに2年進級時に学類選択の確認を経て、各学類・専攻での専門教育へと進みます。1年次に興味関心が異なる多様な学生が、ときに同じ教室で、またときに席を隣にする学習環境は、学生が相互に交流する場としてだけでなく、知的刺激を授受する貴重な場となることでしょう。

私の専門はアメリカ合衆国の歴史ですので、ここで研究対象としたことがあるベンジャミン・フランクリンを紹介したいと思います。北米大陸に建設された13のイギリス領植民地が本国から独立し、アメリカ合衆国が誕生したのは18世紀後半のことです。この建国期に活躍したフランクリンは、ビジネスマン、政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者として多方面にわたり活躍し 、「代表的アメリカ人」とも称された人です。凧を用いた実験で、雷が電気であることを証明したことでも知られ、現在の米100ドル紙幣に肖像が描かれています。印刷業で成功を収めましたが、彼が制作した暦(almanac)にはピューリタン的価値観(その他、実用的な知識など)が盛り込まれた自作の格言がたくさん書かれていて、植民地時代に人気を博しました。ここで、その一つを紹介します。「今日の一日は明日の二日」(One today is worth two tomorrow. ) 「今日という日は、明日よりも倍の価値があり、明日ではなく今日一日を大切に生きるべきである」、また「やるべきことがあるなら、明日に延ばすよりも今日済ませた方が良い」、という意味です。

新型コロナウイルスの影響で行動・活動の自粛が求められています。先がみえない状況で「巣ごもり」が続くことは辛いです。著名なスポーツ選手などが工夫を凝らした過ごし方を教えてくれています。運動不足を解消するために役立つでしょう。また先に引用したフランクリンの格言にもとづくなら、本を読むことも一案でしょうし、KOMAJOポータルで大学および所属を考えている学類・専攻に関するさまざまな情報に目を通すことも良いでしょう。なんでも良いのです。「その日、その日」でやるべきこと、やれること、をみつけて、トライしてみてはどうでしょうか。そういいながら時間を浪費している自分自身を戒めながら、皆さんへのメッセージとします。繰り返しますが、くれぐれも体調の管理に万全を期してください。皆さんとお会いできる日を待っています。

追記
KOMAJOポータルについての説明は、大学から皆さんのご自宅宛てに郵送された『学生生活ガイド2020』に記されています。これを参考にしてポータルサイトに入ってみてください。今後皆さんはさまざまな情報や連絡などを受ける際に使用することになります。パソコン、スマートフォン、どちらでもみることができますので、ご活用ください。

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