【学長メッセージ】新入生の皆さんへ~ようこそ駒沢女子大学・駒沢女子短期大学へ

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます!本来ならば4月2日の入学式で皆さんにお会いし、お祝いの辞を述べるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症が流行する中、皆さんの健康と安全を考慮して、残念ながら大切な式典を中止せざるをえなくなりました。そこで改めてこのような形で皆さんにメッセージを送りたいと思います。

今皆さんは人生の新たな門出に立ち、不安と期待が交錯した複雑な思いで過ごしていることでしょう。特に地方から東京に出て一人暮らしをはじめた方などは、新たな生活環境に慣れるまでとても大変です。まして昨今の感染症の感染拡大による日常生活への影響は、はかりしれないものがあり、今後の皆さんの大学での学修も例外ではありません。
駒沢女子大学では、新入生の皆さんを迎え、教職員一丸となって皆さんを応援してまいります。本学ではテーラーメイド教育を掲げ、少人数制を基本としたきめ細かな学修指導、学生支援を行っていくことをモットーにしています。

さて、これから皆さんにとって約1ヶ月の空白期間が生じますが、どうかこの1ヶ月を有効に活用して下さい。これから自分がどのような専門的知識や教養、技能を身につけ、将来どのような方向に進んだらよいのか、ということを、改めてじっくり考える時間が与えられたのです。関連する本を深く読み込んだり、様々なツールで最新の情報を確認するなど、自己学修を通じて課題や疑問点などを浮き彫りにしておき、入学後、そうした課題や疑問を教員にぶつけていただきたいのです。授業がないから、あるいは学修する教科書や資料がないから、勉強はしないということではいけません。この1ヶ月の間、皆さんには自ら主体的に学修し、課題を追求していく積極的な姿勢が求められるのです。

それからこの期間、自分自身の健康と体調に十分気をつけてください。特に現在は不要不急の外出を避ける方針が政府や東京都から出ております。この史上希に見る感染症に対して、駒女生としてどう対応すべきか、そのマニュアルが大学のHPに掲載されますので、必ずこれに目を通していただき、常に自らの行動を意識し日常生活を大切に過ごして下さい。
皆さんは大学生としてこれまで以上に社会的責任が求められます。自分のことだけではなく、家族や地域社会、大学の友人や教員等のことを考えて行動する必要があるのです。
また自分ではそのつもりではなくとも知らず知らずのうちに、他人に迷惑をかけていることもしばしばあります。例えば、今回の感染症の場合、若者が感染しやすい場所で過ごしたことで感染し、自覚症状のないまま家族に感染させてしまい、高齢の家族が死亡するというケースが多く出てくることでしょう。感染者数が世界で100万人を超え、5万3千人が死亡している現実(4月3日時点)は他人ごとではありません。どうかこうした危険性をふまえて慎重に過ごしていただきたいのです。

自を見ること他のごとくなるの痴人あり。
他を顧みること自のごとくなる君子あり。

(道元禅師『典座教訓』より)

これは永平寺を開いた道元禅師の言葉で、昨年『駒沢学園通信』Vol.29でも紹介いたしました。その意味するところは、「我が身のことを見ていても、まるで他人ごとのように見る愚か者がいる。その一方で他人を見るとき自分のことのように受け止める立派な人物(君子)もいる」というものです。どんなにすばらしいお話や考えであっても、これをよそ事として聴いている限り、自らの行動につながりません。どうか皆さんが私のメッセージをご自身のこととして真剣に受けとめていただき、授業開始までの大切な1ヶ月を過ごしていただきたいのです。

新入生の皆さんに対するお祝いのメッセージとしては、ふさわしい内容ではなかったかもしれません。しかしどうしても、上記の内容は学長として皆さんに最初にお伝えしたかったことであり、特に感染症に対する慎重な行動を強く強く皆さんにお願いするところです。
皆さんの学生生活が、かけがえのない充実した日々となることを祈念いたします。

駒沢女子大学・駒沢女子短期大学 学長 安藤嘉則

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