2026年度「博物館実習A」の見学実習を実施しました
2026/11/05
博物館学芸員養成課程2年次必修の「博物館実習A(見学実習)」は、地域に根差した公立博物館の現場を知ることを目的とした実習科目で、年に複数回の博物館見学を実施し、博物館活動の理想と現実について学びます。
本年度の夏季休暇中には、9月19日(土)に墨田区の「すみだ郷土文化資料館」を訪れました。学芸員の小山貴子先生から同館の理念や事業の説明を受け、展示や施設を案内していただいた後、学芸員の石橋星志先生に「東京空襲体験画展」の展示解説をしていただきました。
「空襲体験画」とは、同館の呼びかけによって、空襲体験者の方々が空襲の記憶に残る光景を描いた絵画です。この活動は、空襲被害の中心地に所在する同館が、空襲の実相を伝えるため、20年以上前に始められました。石橋先生からは、こうした取り組みの意義や課題などについて、現場でのご経験に基づく貴重なお話しをうかがうことができました。
その後は、学芸員の先生方と実習生との対話・交流の時間を設けましたが、実習生からは「空襲体験画」の取り組みに対して質問が集中しました。戦争体験者がますます減少する現実を踏まえ、同館のこうした活動に関心を持った実習生が多かったようです。
大学に戻ってから実施した事後課題の回答を見ても、地域に根差した公立博物館が平和教育に果たすべき役割について、実習生各自が自分の頭でさまざまな考えをめぐらしたことがうかがえました。以下は実習生の回答の一部です。
- これまでの私は、博物館は既存の資料を残していくものだと思っていました。戦争を体験した方が少なくなっていくなか、地域の博物館がこうした取り組みにより、資料を生み出していくという方法で、戦争を知らない世代に戦争の恐ろしさを伝えることができるのだと知りました。戦争の記憶を正しく継承していくために、学芸員に何ができるかを考えるきっかけとなりました。
- 学芸員の石橋先生は、博物館に足を運んで実物を見てほしいという考えに基づいて、空襲体験画のアーカイブを、あえてweb上にアップしていないとおっしゃっていましたが、体験者の思いを未来につなげる重要性を考えると、もっとその存在を知らせたり博物館を訪れるきっかけとするためにも、一部だけでもSNSなどで発信してもよいのではないかと思いました。




