関連発行物の紹介:「村のしるべ拾遺鈔」を翻刻しました
2025/05/22
博物館学芸員養成課程を担当する皆川義孝・下川雅弘は、稲城市からの依頼により、令和5年度から8年度までの継続事業である文化財調査(資料の分類整理、調査目録作成、古文書の解読など)を、文化財調査員として担当し、文化財を媒介とした稲城市と本学博物館学芸員養成課程との地域連携事業を推進しています。
こうした活動を通して、今回、稲城市指定有形文化財の『鈴木家文書』に収められている「村のしるべ拾遺鈔」という史料を翻刻し、『駒沢女子大学研究紀要 第31号』に「東京都稲城市平尾の鈴木家文書「村のしるべ拾遺鈔」の紹介」として掲載しました。
『鈴木家文書』は、東京都稲城市平尾の旧家である鈴木家に伝わった史料群です。そこには、鈴木家当主であった鈴木静輔氏が、昭和6年(1931)2月に編纂した「村のしるべ拾遺鈔」という史料が含まれています。
「村のしるべ拾遺鈔」は、旧平尾村(現稲城市平尾)の歴史や文化に関するさまざまな事項を、現代の郷土史の編纂方針にも通じる客観的な姿勢で叙述しており、当地の地域史研究にとってだけでなく、現代の郷土史編纂の先駆的な存在としても大変貴重な編纂物です。
にもかかわらず、「村のしるべ拾遺鈔」は、これまで一部が引用される程度でしか活用されてきませんでした。今回、その全文を初めて翻刻・紹介したことにより、「村のしるべ拾遺鈔」が、今後さまざまな研究に活用されることを願っています。
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