小推し

最近は好きな人を「推し」というようです。私には常に「小推し(こおし)」がいます。これは勝手な造語で、ある一定期間だけものすごく応援している本やドラマの登場人物のことです。

子どものころから物語が大好きで本をよく読みますが、読むのがゆっくりなので、読み終わるまで長い時間同じ登場人物と接しています。つい感情移入し、応援する気持ちになります。今年の小推しの変遷は、富次郎 → 匡介 → 奈智 → 香屋子&王子 → 更紗 → 澪 → ソンジャ→アイシャ(現在)……書き出してみたら、意外と多く応援していました。

読み終わるとロスです。が、すぐ次の本に移るので、それまでの小推しはあっという間に「過去の人」となり、新しい「小推し」が誕生します。

読み終わった本はアプリの本棚に納め、次に読む本を選びます。本屋さんでポップや帯や裏表紙のあらすじやカバーの絵などを丹念に眺め、何冊かまとめ買いする日ももうすぐ。次は何を読もう。世の中は、面白い物語であふれています。

最後に、登場人物の誰一人にも共感できなかった強烈な印象が残っている物語が1冊あるので紹介します。名作と謳われるエミリー・ブロンテの『嵐が丘』。このタイトルを聞くと、荒涼としたヒースの丘の光景と、大学生の時にイギリスのヒースの丘で友だちと迷子になってしまった日のことを思い出します。この物語の小推しはヒースの丘の風景のようです。美しい英文で書かれています。よかったらいつか読んでみてください。

英語科 鈴木

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