絵本を届ける運動[英語科 本間]

駒沢学園で英語科の教員としてお世話になってからもうすぐ30年になります。忙しく時間やスケジュールに追われる日々でしたが、振り返ってみると実にたくさんのことが思い出されます。楽しかったこと、悲しかったこと、忘れられない出来事も多いです。
そんな中で私が勤務して以来ずっと継続していることがあります。それは社会福祉部の顧問です。社会福祉部は地歴公民ご担当の鮫島先生が、長い間顧問をされていました。私は社会福祉やボランティア活動に関してはほとんど知識や経験がありませんでしたが、先生や生徒の皆さんと一緒に活動するうちに、多くのことを学びました。また福祉部に入部してくる生徒さんは、今も昔も皆手話や点字などを学び誰かに貢献したいという気持ちをもった、素敵な部員ばかりで、とても尊敬をしています。

参加している活動の1つが、シャンティ国際ボランティア会様による、「絵本を届ける運動」です。活動内容は、こども向けの日本語の絵本に、話の内容が現地語に翻訳されたシールをハサミで切り取り順番に該当箇所に貼っていくという、誰でも簡単に参加できる内容のボランティアです。絵本を作成し終わると最終扉のページに、付属している現地語の表を用いて自分の名前を書く欄があるのですが、その特徴的なアルファベットを見ていると、世界の国々の言語の豊かな多様性を感じることもできます。社会福祉部ではベルマーク教育助成財団様のご協力もあり、この活動にほぼ毎年参加をしています。


  • シャンティ国際ボランティア会
    活動紹介リーフレット
    (許可を得て掲載しています)

活動を通して、世界には図書館も無く、こども向けの絵本が十分に行き渡らない、こども向けの娯楽がほとんど無い国々や地域がたくさんあることを知りました。私たちがシールを貼って制作した絵本は、現地のボランティアの方々のご尽力により、移動図書館の車に積まれ世界の各地域に運ばれます。絵本はボロボロになるまで現地のこどもたちに読まれているそうです。
世界がこのようになり、なかなか直接現地に出向いてボランティアすることは国内、海外共に難しい部分もあります。しかしどんなボランティア活動が行われているか、誰が何を必要としているかを知り、多くの人々に伝え広めていくこともボランティア活動の一つなのではないかと思います。自由に海外に行けるようになったらいつか実際に皆が作成した絵本が、どのように読まれているのか現地を訪ねることができたらよいなと思っています。

※写真中の絵本:「はらぺこあおむし」「いいことをしたぞう」(偕成社)、「おおきなかぶ」「スーホの白い馬」「三びきのこぶた」「そらいろのたね」「しんせつなともだち」「風の星」「ふしぎなたけのこ」「はじめてのおつかい」「みんなうんち」(福音館書店)、「11ぴきのねことへんなねこ」「わたしのワンピース」(こぐま社)、「ぼくはあるいた まっすぐまっすぐ」(ペンギン社)

英語科 本間

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