「ロボットだけどロボットじゃない!」 ~分身ロボットカフェ~[英語科 本間]

先日念願叶って、日本橋にある『分身ロボットカフェDAWNver.β』に初めて行ってきました。この「分身ロボットカフェ」は、株式会社オリィ研究所が運営する、外出困難者である従業員が分身ロボットをそれぞれ遠隔操作しサービスを提供している常設実験カフェです。テクノロジーによって、人々の新しい社会参加を実現するのが目標だそうです。研究所所長の吉藤オリィさんが自身の不登校の体験をもとに、人の孤独を解消すべく、ベッドの上にいながら、会いたい人と会い、社会参加できる未来の実現を理念に、開発が進められています。

私は何かのニュース番組で偶然このカフェのプロジェクトの事を知り、興味を持ちました。常設のカフェをオープンするにあたりクラウドファンディングも行っており、私もほんの少しですが参加をしていました。しかしコロナ禍もありお店には行けずじまいでした。

吉藤さんがこのロボットを開発するにあたり、さまざまな出会いがあったようです。中でも私が一番感銘を受けたのは、頸髄損傷により寝たきりの親友の番田さん(カフェのオープンを見ることなく、現在は亡くなられています。)と二人三脚でこの分身ロボットを開発していたという話でした。人の優れた技術や才能が、まずは自分の本当に大切な人のために存在している、ということにとても感動しました。

「勉強」や「仕事」とは本来は自分のためにするものであるけれど、同時に自分の大切な誰かがもっと幸せになるためにするものなのではないか、と改めて気づかされ、そしてその事が人が何かをしたいという一番の原動力になっているのではないかと思いました。またこのカフェを通じて、自分や誰かが何らかの理由で社会から切り離されている状態のときに、それが積極的に解消され社会参加をしていける可能性があるのは素晴らしいことではないかと感じました。

カフェは予想以上に海外の方でいっぱいでした。私のテーブル担当のロボットのパイロット(中の人)の方も、日本語で接客するのは久々で新鮮だ、と言っていたくらいです。英語が堪能な方で、私の他にオランダやドイツ、スペインから来たお客様とロボットを操作しながらドリンクを運び、接客されていました。担当の方は、この分身ロボットを通じて37か国以上の方と英語で話したことがある、とおっしゃっていました。先日の広島G7サミットにも参加されたそうです。このカフェの事は、本校で採用している論理・表現Ⅱの教科書(Lesson8)にも載っていますが、そのことをお話しすると、小・中学校だけでなく高校の教科書にも載っているのは知らなかった、ととても喜んでくださいました。

ロボットを通じてのコミュニケーションは想像以上にスムーズでタイムラグも無く、遠隔操作だけでこんなにも人と不自由なく意思疎通ができるのかと驚きました。私にも分身ロボットがいて世界のいろいろな所に出かけ、「居場所」は関係なく自由に人とコミュニケーションができたらいいなと思いました。皆さんも機会がありましたらぜひ訪れてみてください。新鮮な体験ができると思います。

  • この小さなパネルを通してパイロットの方がiPadを操作しながら、いろいろな事を話してくださいます。
    この小さなパネルを通してパイロットの方がiPadを操作しながら、
    いろいろな事を話してくださいます。
  • テレバリスタのロボット。パイロットの方がロボットを操作しながら、おいしいコーヒーを淹れてくれました。
    テレバリスタのロボット。
    パイロットの方がロボットを操作しながら、
    おいしいコーヒーを淹れてくれました。

英語科 本間

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