コマツブ便り[英語科 濱田]

今年の春は早い到来で、桜が中学の卒業式を美しく彩っていました。中学では一人一人に校長から卒業証書が渡されます。生徒それぞれが表情豊かに壇上に上がり、呼名に大きな声で「はい」と返答。背中に観客のまなざしを感じながら、前に3~4歩すすみ、立ち止まり校長先生と視線を交わします。それぞれの目が、どんな3年間を送ってきたのかを物語るように、校長先生をじっと見つめ礼をするのです。

毎年裏方として卒業式に参加してまいりましたが、滞りなく式が執り行われるには、多くの方々が支えてくれています。本山賞、山上賞、りんどう賞と、高校には「3賞」といわれる章典があります。立派な賞状で、受賞者に渡すまでとても緊張いたします。
実は、これらの賞状は印刷ではなくすべて手書きなのです。芸術科の酒井先生が一枚一枚、周りの飾りしかない賞状に墨汁で一字一字書かれています。右側1行書いては乾かし、左側1行書いては乾かし、周りから中心に書き進めていきます。本当に時間のかかる作業で、完成までの気苦労を考えると頭が下がる思いです。介添えの私は汚したり、角がつぶれたりしないよう慎重に卒業式まで出来上がった賞状を預かるのです。
最後の仕上げとして介添えが名前のふりがなを振ります。鉛筆で元の賞状の邪魔にならないよう心を込めて丁寧にひらがなで書き込んでいきます。

皆さんが笑顔で卒業式に望めるように本当に多くの方々が心を尽くしてくださっています。毎年最後に壇上で御仕舞いにするとき、感謝を込めてお盆を手に頭を下げるのです。卒業式が無事終了したこと、それまで心を尽くしてくださった方々を思いながら、「ありがとうございました」と。

  • 本山賞
    本山賞
  • 山上賞
    山上賞
  • りんどう賞
    りんどう賞

英語科 濱田

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