すてきな職員室

忘れもしない、1学期中間試験中の、ある日の夕方。出張から帰ってきて、ほっと一息、コーヒーでも飲もうと思った、その時。

職員室の自分の机の前で、平らな何もない床の上なのに、つまずきました。とっさに両手を机にドン!とついて、転ぶのは回避できました。

ほっとしたのもつかの間、その衝撃で、淹れたてのコーヒーが入っていたカップが倒れました。いわゆるトールサイズが入る大きさのカップ。あっという間に熱々のコーヒーが机の上、床の上に広がっていきました。

他の先生方の書類が机上にあったのですばやくそれを手に取りましたが、そのあと、茫然としてしまいました。やってしまった……。本当ならば、すぐに拭き掃除をしなければいけないところですが、後から後から流れ落ちるコーヒーの滝に、なにもかもが嫌になり、やる気を失いました。その時間はほとんどだれも職員室にいなかったので、余計にぼーっと立ち尽くしてしまいました。

まさにその時。どこかからM・H先生とA・S先生がとんで来て、あっという間にお掃除を開始しました。「ティッシュ使う?」「いえ、これは雑巾のほうがいいです。」ティッシュをぼんやりさしだした私をよそに、二人はシャカシャカと動き、机の上、机の横、机の裏、床、がみるみるきれいになっていきました。「床のじゅうたんにシミができちゃうな……」「床はもともと色が暗いから、全然わかりませんよ!」

元通りのきれいな机になったところで「じゃあ、続きをやろうか」と二人はまたあっという間にどこかへ去っていきました。なにか二人で仕事をしていたのに、ドン! という音を聞いて、心配して来てくれたみたいです。お礼を言う間もなくいなくなってしまいました。

  • A.S先生とM.H先生
    A.S先生とM.H先生

私はやる気を取り戻しました。私は毎日、素敵な職員室で、働いています。

英語科 鈴木 若葉

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