3.11に寄せて[芸術科 平田]

10年前の3月11日14時46分、皆さんは何をしていましたか?
あの日、あの瞬間のことはきっと皆さんの脳裏に焼き付いていて、今でもどのように過ごしていたか、鮮明に思い出せるのではないでしょうか?

私は大学を卒業して、茨城県の県立高校の音楽講師として1年間を終えようとしていました。最後の授業でレナード・バーンスタインのDVDを鑑賞していると生徒に「先生、地震!」と言われました。始めは小さな地震かと思いましたが、その直後に今まで経験したことのない大きな揺れに生徒は叫び、混乱しました。「逃げなきゃ!」と生徒の誰かが叫びました。本来であれば、地震が起きたら揺れが収まるまで机の下に隠れるのが大原則です。しかし、自分自身も正しい判断をすることができずに校庭に避難をしてしまったのです。奇跡的にその際、怪我人などは出ませんでしたが、他の教室では蛍光灯が割れ、破片が降ってきた教室もありました。これは私にとって大きな反省点でこの話を思い出すと嫌な汗をかきます。私は避難訓練や3.11がの日が近づくと自戒の念を込めてこの話を生徒にするようにしています。
今の高校生は小学校低学年、中学生は小学校前の話なので、子供にとっては昔の話になりつつありますが、先月も大きな地震があったようにいつ想像を絶する大きな地震がやってくるかわかりません。この仕事をしている以上、10年前の反省を生かし責任を持って、備えていきたいと思います。

皆さんの心に平安が訪れますように、日本を代表する古楽演奏団体「Bach Collegium Japan」の演奏で、J.S.Bach作曲ロ短調ミサ曲より「Dona Nobis Pacem」(我らに平安を与えたまえ)をどうぞ。

芸術科 平田

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