中学3年生「宗教」の授業紹介
2025/12/02
~「はきものをそろえる」から学ぶ心のあり方~
中学3年生の「宗教」の授業では、「はきものをそろえよう」という詩を読み、「はきものをそろえることが、なぜ心をそろえることにつながるのか」について考えました。
はきものをそろえると 心もそろう
心がそろうと はきものもそろう
ぬぐときに そろえておくと
はくときに 心がみだれない
だれかが みだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう
そうすればきっと
世界中の人の心も そろうでしょう
(藤本幸那氏作/長野県円福寺)
物(はきもの)と心は、一見まったく別のもののように思えます。
しかし、たとえば家の玄関の靴がきれいにそろっていると、気持ちがすがすがしくなり、前向きな気分になります。
反対に、靴が脱ぎっぱなしだと、どこか落ち着かず、次の行動にも影響します。
このように、形あるものを通して、心を整える――。
先人はそのことを、この詩を通して教えてくれています。
授業では、生徒一人ひとりが自分の体験を振り返りながら、「心」と「物」との関係を考えました。
日常生活を丁寧に送ることの大切さに気づく時間となりました。
〈生徒の感想〉
- 揃えると玄関が綺麗になり、自分の心まで気持ちよくなる。
- はきものを揃えると心が安心する。
- 玄関が片付くだけでなく、自分や相手の心まできれいになる。揃えることで、人や物を大切にする気持ちにもつながると思った。
- 小さなことを一つひとつきちんとできれば、自然と周りを見て些細なことに気付けるようになると分かった。
- 靴を揃えることは、掃除後のような爽やかな達成感につながる。
- 茶道部に入った頃、先生に「はきものを揃えてください」と言われ、それから毎回揃えるようになった。当初は必要性が分からなかったが、部員の靴がきれいに並んでいるのを見ると心が整う感じがした。この詩を読んで、自分の体験と重なる部分が多く納得できた。揃えることは物を大切にする行為であり、見る人もそろえる人も心が穏やかになると感じた。
- 靴を揃えると心も揃う。幸せは足元にあると感じた。
- 学校の下駄箱前にある「脚下照顧(自分の足元を見つめ直しなさい)」を思い出した。家ではできていても学校ではできていなかったので、これからは学校でも気をつけたい。はきものをそろえることは自分を振り返り、心を整えることにつながると思う。みんながそろえると、みんなの気持ちもすっきりする。
- 他の人のはきものをそろえると、その人の気持ちを考えられる。そうすることで世界が少し平和になると思う。心の準備が整うと、物事を始めるときに自信がつき、トラブルにも冷静に対処でき、他者にも優しくなれる。

生徒が毎朝通る下駄箱に掲示している書。
上履きがそろっていると気持ちがいいです。