宗教(中学)の授業で写経・写仏を行いました。

中学1年から3年の宗教の時間で写経・写仏を行いました。

日本の写経の歴史は古く、飛鳥時代にさかのぼります。昔は、印刷技術もなく、書き写すこと自体が目的だったり、国家事業として行われていたりしましたが、時代が下るとともに、模写としての写経から精神を高めるための修行として写経が行われてきました。

写経を行うと、あっという間に時間が過ぎ、一つのことに集中できます。写経が終わると、すがすがしい気持ちに変容します。これはなぜなのでしょうか。

それは一つの対象に意識を向けることで、意識の全エネルギーがそこに集中し、徐々に身体と心が整い、本来の自己があらわになるからです。

また、お香のにおい、墨の香り、半紙の手触り、すれる音、書のしつらえなどを通して五感が研ぎ澄まされ、非日常の落ち着いた空間へと誘われます。

日本が育んだ文化である書道と、仏教の心と向き合うという面が合わさり、日常の中で非日常を味わう貴重な体験は生徒たちにとっても新鮮なようで「難しい」「間違えた」と言いながら、静寂なひと時の中、没入している様子が見受けられます。

  • 舎利礼文①
    舎利礼文①
  • 舎利礼文②
    舎利礼文②

~生徒の感想~

  • 心を落ち着かせたり、集中力を高めたりする精神的な効果や、姿勢が良くなる、思いやりの心が育まれるといった身体的・倫理的な効果があると聞きましたが、本当だと思いました。けれど途中から、集中力が切れてきてしまい雑になってしまった。最後までしっかりやればよかった、と今になって後悔している。
  • 私が描いた不動明王は、大日如来の化身であり、密教の明王の中でも中心的存在です。日本で「お不動さん」として広く親しまれており、人々を煩悩から救い、災いを祓う力を持つ慈悲深い仏様です。右手に剣、左手に索を持ち、炎を背負う怒りの形相で表され、日本各地の寺院で信仰されていると言うことを知りました。
  • 写仏をして書いている時とても集中できました。心が無心になれて落ち着きました。
  • 字を書くことの新鮮さを感じることができました。仏教の授業で写経の体験ができたのはいい思い出です。
  • 左:観音菩薩(聖観音) 右:弥勒菩薩
    左:観音菩薩(聖観音) 右:弥勒菩薩
  • 左:不動明王 右:地蔵菩薩
    左:不動明王 右:地蔵菩薩

新着情報:新着投稿一覧へ