三田 誠司(ミタ セイジ)

専門分野

日本文学(上代)

担当授業

所属学会

私の研究紹介

奈良時代の末にできたと考えられる『万葉集』という歌集について研究しています。『万葉集』にはおよそ100年間にわたる4500首ほどの歌が収録されています。平安時代以降の歌集と比較すると素朴な歌風であると言われますが、すべてが「素朴」な歌ばかりではありません。風景に接しての感動、季節の移り変わり、人の心が織りなす細やかな感情などを、万葉の歌々はそれぞれ見事に描き出しています。

また、当時の歴史と関わる作品も多く、さながら歴史絵巻と呼べる一面もあります。私は特に平城京遷都よりも前の時代の歌について多く研究してきました。その代表的歌人は柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)です。人麻呂の歌は長大な長歌作品が多く、その展開の妙も相まって読み応え十分です。私の中心テーマの『万葉集』に限らず、「和歌」は日本人の心と密接に関わってきました。そこで近年は平安時代以降の歌についても学びを深めているところです。

私の授業紹介

「日本語表現の実践Ⅰ・Ⅱ」は3年生の必修授業です。2年次の「日本語表現Ⅰ・Ⅱ」から引き続き、日本語表現力アップを目標にしています。とくに就職活動も意識して、自己紹介のスピーチやグループディスカッションなども取り入れています。「日本文学史Ⅰ」は平安時代末までの文学の歴史を講義します。日本の文学には漢籍の影響も大きいので「和・漢」という軸を設定し、それに加えて物語や日記などの散文と和歌や漢詩などの韻文という「散・韻」という軸とを組み合わせて立体的に文学史を捉えていきます。

「古典文学Ⅰ」は古典作品を読み解く授業で、具体的には奈良時代の『古事記』上巻を読んでいます。波乱万丈のストーリー展開の日本の神話は興味深いものです。「古典文学概論」は上代から近世までの主要な作品を毎回一つ取り上げて、古典文学の世界への導入を果たす1・2年次生向けの授業です。「日本の詩歌」は私の専門である万葉集を中心に和歌文学を講義しています。

受験生・在学生へのメッセージ

高校までの古文は、古典文学の中のほんの一部分を扱うに過ぎません。日本の古典文学の世界はもっともっと広くてバラエティに富んでいます。今から1000年以上も前の人々がどれほど繊細で見事な言語表現を織り成したかを知れば、古典嫌いは一度で吹き飛ぶはず。私はそう信じて授業をしていますし、幸い受講生の皆さんから古典は面白いとの評価を得ています。受験のための「古文」とは一味も二味も違う「古典文学」の世界を皆さんも体験してみませんか。

私の研究と授業 リンク