本学における生成AI利活用に関する基本方針

駒沢女子大学・駒沢女子短期大学
学長 安藤嘉則

大学での教育・研究活動におけるChatGPTなどの生成AIの利活用は、大きな利便性をもたらす可能性をもつ反面、さまざまな問題を内包していると考えられます。本学では、生成AIの利用に伴う危険性を理解した上でその有益性を生かすために、以下1~3の注意事項に留意して、安全かつ有効な利活用を心がけることを基本方針といたします。ただし本方針は、生成AI技術の今後の進展や社会情勢などに照らして、随時見直しを行います。

1.機密情報・個人情報の漏洩に関する注意

生成 AIのプロンプト への入力を通じて、機密情報や未発表の研究成果、個人情報などが流出・漏洩する危険性があります。機密情報や他者の個人情報等を許可なく生成 AI に入力することは禁止とします。また、自分自身の個人情報であっても、安易に生成AIに入力することは避けてください。

2.著作権の侵害等に関する注意

生成AIによって出力された内容(文書、画像、デザインなど)には、既存の著作物と同一あるいは類似のものが含まれている可能性があります。これらを自分の作品としたり、著作権者の許諾を得ずにWEBその他で公表したりすると、盗作や剽窃あるいは著作権の侵害に該当する危険性があります。生成AIによって出力された内容を利用する場合には、出典や著作権の確認を行ってください。

3.出力された内容の正確性に関する注意

生成AIによって出力された内容には、明らかな誤りや偏った認識に基づく内容が含まれている場合が少なからずあります。安易に信じることなく、生成AIの技術的な限界を把握した上で、出力された内容の確認や裏付けを行うことが大切です。


学生の皆さんへ

学修や研究、課外活動等で生成AIを利活用する場合は、授業担当教員や指導教員の許可を得てください。一般に生成AIは、情報収集、文章校正、翻訳等の補助に利用することによって、学修や研究活動の補完的ツールとして有効に利活用できると考えられます。ただし場合によっては、生成AIの利用自体が授業・研究等の目的や学修効果を大きく損なうこともありえます。また、生成AIが出力した内容をそのままレポートや論文などの成果物として提出することは、多くの場合不正行為とみなされます。授業担当教員や指導教員の指示を順守して、適切な利活用を心がけてください。

教員の皆さんへ

授業や研究、課外活動等で学生の生成AIの利活用を認めない場合には、その旨をあらかじめ対象学生に周知してください。また生成AIを利用すると、どのような点で学修や研究等の目的や効果を損なうのかについて、可能な範囲での説明をお願いします。

一方、学生による生成AIの利活用を認める場合には、上記1~3の生成AIを利用する上での留意点を学生に十分周知してください。課題等の内容は、生成AIの特性をふまえて学修効果が上がるように工夫することも必要です。また、学修成果等の適切な評価のためには、提出物に生成 AI を利活用した旨や利活用した箇所、生成 AI の種類等を明記させることもご検討願います。小テストや口述試験等を併用するなど、評価方法の工夫を行うことも有効だと考えられます。

2024年4月22日掲載