008:産学連携課題「コマジョリノベ」第2弾「和良インテリア計画」 東京新聞に記事掲載、最終プレゼンテーションが行われました。

インテリアデザインコース3年生の空間系ゼミで取り組んできた、産学連携課題「コマジョリノベ-和良(わら)インテリア計画」の最終プレゼンテーションが開催されました。
ブティックや雑貨店などが並び、お洒落な街として知られる東京・自由が丘の、米粉を用いたパンを販売する「和良自由が丘工房」の2階にあるカフェ・レストラン「WARA CAFE」のリノベーション提案を行う計画です。
「コマジョリノベ」授業の取り組みの様子は、先日、東京新聞多摩版朝刊に掲載されました。3名の教員による指導のもとで、3つのグループごとにまとめた内容をさらにブラッシュアップし、今回の最終プレゼンテーションに臨みました。

  • 東京新聞多摩版朝刊2015年2月2日掲載記事
    東京新聞多摩版朝刊2015年2月2日掲載記事
    クリックで大きな画像を表示

晴天に恵まれた1月下旬の午後、「和良」を運営する株式会社エスコ・コーポレーションの北山社長と黒田専務を岡山からお迎えしました。また「和良自由が丘工房&WARA CAFE」の大山マネージャーの他、葛城理事長と光田学長をはじめ、大学教職員の方々にもご出席いただき、会場となったインテリアデザイン実習室でプレゼンテーションが始まりました。

  • 手前より黒田専務、北山社長、大山マネージャー
    手前より黒田専務、北山社長、大山マネージャー
  • A班(門岡、多田、西村、桃井、山田、康)
    A班(門岡、多田、西村、桃井、山田、康)
  • B班(飯田、石掘、片岡、高橋、初澤、若杉)
    B班(飯田、石掘、片岡、高橋、初澤、若杉)
  • C班(伊藤、岩崎、片田、鈴木、関根)
    C班(伊藤、岩崎、片田、鈴木、関根)

A班の作品タイトルは「彩(いろどり)-見て、触れて、食べて-」です。近ごろユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」と「和紙」を身近に感じられる、和モダンの空間を提案しました。見どころの一つは、当店のパンの原料である、岡山産のお米のサンプルを見たり触ったりして楽しめる、店内のさまざまなディスプレイによる演出です。また通りに面した窓面や階段の手すりには、組子細工とカラフルな伝統色の備中和紙を合わせ、内外に華やかな和の印象を与えています。

企業の方々からは、お米のディスプレイ方法の詳細について、詳しい説明を求められました。また小さな和紙照明の点灯でパンのお代わりを知らせるサインの提案など、お店のオペレーション(運営)までよく考えられたデザインである点を評価していただきました。その一方で、手すりなどに用いる和紙の耐久性の問題、テーブルの大きさやテーブル間の通路幅の不足、全体として大幅な改修が予想される、などの指摘がありました。

  • A班 プレゼンテーションの様子
    A班 プレゼンテーションの様子
  • A班 模型:組子細工と色和紙による手すり
    A班 模型:組子細工と色和紙による手すり
  • A班 模型:お米のディスプレイを中央テーブル上に配置
    A班 模型:お米のディスプレイを中央テーブル上に配置
  • A班 模型:店内イメージ
    A班 模型:店内イメージ

B班は「two-facedness(二面性)」がテーマ。昼と夜、東京と岡山、健康と美の二面性に着目し、デザインしました。照明の切り替えによって昼と夜の雰囲気をがらりと変化させ、白壁や石張りなどレトロな街並みが特徴的な岡山県倉敷のイメージを内装に取り込み、現在の店舗で使われている濃い茶色の家具や、和良のテーマカラーであるワインレッドと調和させました。また料理で使用されている有機野菜とお米を印象付けるグラフィックや演出を店内全体に施しました。

この提案は全体の完成度の高さが評価されました。現在の家具がシートの張り替え程度でそのまま使用できることで改装のコストを抑えられる点も評価が高く、また夜にカーテンを引くことで半個室状の席をつくる提案は、企業側も気が付かなかった良いアイディアであるとコメントされました。シート張り地のワインレッド色がこのお店にふさわしいかどうか、学生に意見を求められる場面もありました。

  • B班 パース:レンガや石乱貼りのレトロモダンな内装
    B班 パース:レンガや石乱貼りのレトロモダンな内装
  • B班 プレゼンテーションの様子
    B班 プレゼンテーションの様子
  • B班 模型:お米と野菜の模様による吹抜け手すり
    B班 模型:お米と野菜の模様による吹抜け手すり
  • B班 模型:ワインレッド張り地の椅子
    B班 模型:ワインレッド張り地の椅子

最後はC班「Approachable ~もう一つの場所~」。家でも仕事場でもない、誰でもゆっくりと親しめる居場所とするため、細やかな仕掛けが店内全体にわたってデザインされています。店の中央付近に置かれた有機野菜やワイン、雑誌などを色鮮やかに飾るディスプレイラックは、背板が透明なため店内の視線を妨げず、週末に行われるライブ演奏などの邪魔にならないように配慮されています。また店舗の正面外観(=ファサード)に取り付けられたフラッグやシェードも、街に対してお店の印象をはっきりと与えています。

プレゼンテーションが素晴らしいと評価された提案でした。店内にディスプレイされたパンや野菜まで細やかに表現された模型も、とても見応えがありました。質疑応答では、必要な時に取り出すベビーチェアの保管場所について、また客席側からの厨房の見え方をオープンにするかクローズにするかについて、などの意見を求められました。模型やパース図をフル活用しながら、質問に的確に答えようと努力するメンバーたちの努力が印象に残りました。

  • C班 模型:野菜やワインを飾るディスプレイ
    C班 模型:野菜やワインを飾るディスプレイ
  • C班 パース:ライブ時に分割できるテーブル
    C班 パース:ライブ時に分割できるテーブル
  • C班 プレゼンテーションの様子
    C班 プレゼンテーションの様子
  • C班 模型全景
    C班 模型全景

発表をすべて終えて、企業の方々に総評をいただきました。

など、前向きで学生たちが勇気づけられる、多くのコメントをいただきました。

参加学生代表のコメント

今回のプレゼンテーション資料を企業様にお渡しし、今後の方針を検討していただくことになりました。学生たちは授業後も大学や自宅で毎日遅くまで作業を進め、並々ならぬ意欲と大変な頑張りを見せてくれました。それぞれの学生が達成感を得られたと同時にまた、グループで協力しながら作業を進めることの楽しさや難しさも体得できたと思います。

企業様からのコメントにも表れている通り、学生たちの提案が少しでも実際の店舗改修計画に取り入れられることで、今後学生たちがこうしたリノベーション計画への理解と関心をさらに深め、またこれから本格化する就職活動や卒業制作などに向けて、大きな力と自信をつけてくれることを、心から期待しています。

このたびの産学連携課題において、大変貴重な機会を与えてくださいました株式会社エスコ・コーポレーションの北山社長、黒田専務をはじめ関係者の皆様、「和良 自由が丘工房&WARA CAFE」大山マネージャーとスタッフの皆様、並びにご協力いただいた大学教職員の皆様に、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

住空間デザイン学科 担当:神村真由美、橘田洋子、佐藤 勉

  • 全員で記念撮影を行いました
    全員で記念撮影を行いました

お知らせ

2月27日(金)から3月1日(日)まで、東京都千代田区の3331 Arts Chiyodaにて開催される、「駒沢女子大学人文学部空間造形学科(現:住空間デザイン学科)卒業制作展2015」に、今回学生が制作した「和良インテリア計画」の模型およびプレゼンテーション資料を特別に展示します。詳しくは「卒業制作展2015」の案内記事(以下)をご覧ください。

関連記事

イベント/お知らせ :新着投稿