

「日本語学演習」は、主として、コンピュータを使用した言語情報処理によって次のような研究を目指す学生を対象としています。
1. 日本語そのものを研究する
2. 外国語との比較対照研究を行う
現代は音楽や映像ばかりでなく文学作品や時事ニュースもコンピュータで配信される時代です。古典文学なら原文だけでなく現代語訳も入手することが出来ますし、海外の作品なら翻訳も入手できます。コンピュータを利用した研究は今後ますます重要になってくるでしょう。
2007年度には、待遇表現についてユニークな研究をした学生がいます。太宰治の『斜陽』を資料とし、ある男性に対する主人公の気持の動きを手紙文のなかの待遇表現によって読み解いたのです。「文学的に」ではなく「言語学的に」証明したところに意義があります。また、ある中国人留学生は「対」という語の日中両語における用法を魯迅の『阿Q正伝』などを資料として研究し、たいへん面白いレポートを書きました。中国語文の「対」は日本語になると「Aに対して」のほかに、Aの素性の違いによって「Aに面して」「Aに向いて」などと訳されます。教材として整理された教科書だけではなく、生き生きとした表現に富む小説の中から自分で用例・用法を見出すことを通して、この留学生は格段に日本語が上手になりました。
コンピュータは情報入手の手段としてだけではなく、言語情報をさまざまな手法で処理して瞬時に統計的な結果を得るためにも使うことが出来ます。この技術は学業だけでなく、将来、社会人になったとき大いに役立つものです。
2008年3月7日
●「日本文化論CI」(担当 千葉 公慈)
●「考古学入門」(担当 小川 誠)
●「古典文学特論BII」(担当 三田 誠司)