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ボストン美術館展に寄せて

ボストン美術館展

 ボストン美術館は、フランス以外で最もモネの作品を所蔵している美術館として知られています。今回の展覧会でも《積藁》や《ルーアン大聖堂》など多くの傑作が展示されていますが、その中の《アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども》の魅力に触れながら、モネとカミーユ・ドンシューの愛について語ってみようと思います。

 モネとカミーユが知りあったのは、1866年頃。カミーユは20歳の売れっ子モデル、一方のモネは26歳の無名の画家でした。彼らはすぐに恋に落ちて生活を共にするようになり、翌年には息子のジャンが生まれます。しかし、モネの家族は彼らの結婚を認めようとはしませんでした。というのもカミーユがモデルを仕事としていたからです。当時は現在と違って、モデルは良家の子女のすることではなかったのです。豊かな中産階級だったモネの一族にしてみれば、彼らの結婚は身分違いで許しがたいことだったでしょう。

 彼らが正式に結婚したのは、1870年のこと、翌71年末にアルジャントゥイユに移りますが、この時期がモネの画歴では印象派の中の印象派と見なされます。印象派の命名となった《印象・日の出》もこの時期に描かれています。そしてカミーユにとっては、最も幸せな時でした。

《アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども》は、咲き乱れる色鮮やかな花の前で光を浴びて繕いものをするカミーユとその足元で遊びに夢中になっているジャンという、微笑ましい家族の情景を描きながら、陽光の織りなす微妙な光と陰を大胆に追及している名作として知られています。展覧会に行かれたら、この傑作をゆっくりと鑑賞してその魅力を堪能してください。

▼《アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども》の画像はこちら(ボストン美術館展ホームページより)
↓3枚ある絵のうち、一番下の絵がモネです。
http://www.asahi.com/boston/intro/4.html

▼ボストン美術館展ホームページはこちら
http://www.asahi.com/boston/

(藤田 啓子)

 

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