『涅槃会』の式典が行われました。

お釈迦様がお亡くなりになった2月に毎年行われる「涅槃会」の式典では、お釈迦様とのお別れの様子を描いた「涅槃図」を掲げ、香(お線香と焼香)、華(お花)、燭(お灯明)、蜜湯(あまいお湯)、菓(お菓子)、茶(温かい茶)を供え、厳かに読経し、そのご遺徳を偲(しの)びます。「涅槃会」は、お釈迦様の死を悼(いた)み、生を考え、このかけがえのない人生をどう生かすかに思いを巡らせる貴重な機会となっています。

日時 2020年2月15日(土)8時45分開式
場所 駒沢学園記念講堂

『涅槃会』式典風景

  • 式典の様子
    式典の様子
  • 講話(皆川 義孝教授)
    講話(皆川 義孝教授)

式典では皆川教授より次のような講話がありました。

仏教を開かれたお釈迦様を追い求め、その教えを大切にされた方の一人に、本学の建学の精神である「正念」「行学一如」の基になった禅の教えを広められた道元禅師様がいらっしゃいます。
道元禅師様の教えをもとに、本学はつくられました。お釈迦様は2500年前の方ですが、本学の建学の精神を通じて私たちと繋がっています。
本学で学びができることに、感謝申し上げる学校行事が涅槃会なのです。

式典終了後には、園児・生徒たちが、平成大涅槃図を鑑賞し、先生の説明に耳を傾けました。

  • 涅槃図を鑑賞する園児・生徒たち
    涅槃図を鑑賞する園児・生徒たち

本学園の貴重な所蔵物である平成大涅槃図は、涅槃会の式典後に園児・生徒たちの学びのための教材として毎年お披露目されています。

本学園の涅槃図は仏画師・藤野正観氏の手によるもので、平成七年に完成しました。京都市大原野の大山古刹西山善峯寺(単立・両国第二十番札所)の薬湯場を画室とし、約一年がかりで書き上げられたということです。基本の元絵は日本最古の国宝「仏涅槃図」(高野山金剛峯寺所蔵)とされており、これが平安後期、応徳三年の作で「応徳涅槃図」と呼ばれていることにちなんで「平成大涅槃図」とされました。

平成大涅槃図は5.4メートル四方の一枚の巨大な和紙に描かれており、これは世界最大のものだということです。この和紙は、大正14年(1925年)、福井県の人間国宝故岩野平三郎氏が8人がかりで漉いたといわれる越前手漉き和紙のうちの一枚で、日本画家の大家・横山大観氏の注文に応じるべく作成されたものです。この貴重な和紙を使用して、縦4.8メートル、横4.6メートルもの大きな涅槃図が誕生しました

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