駒沢学園は、平成29年に創立90周年を迎えました。昭和2年世田谷弦巻の地に駒沢高等女学院が開設されたのに始まり、この90年の間、駒沢学園女子中学校、駒沢学園女子高等学校が発足し、昭和40年の短期大学開設、平成5年には駒沢女子大学の開設により駒沢学園は女子の一貫教育の場としての体制を整えました。平成元年に稲城の現在地へ全面移転したこともあり、自然豊かで、設備の整った環境の中で教育活動を行うようになりました。
少子化の影響を受け、東京都にいくつかあった仏教主義に基づく女子の一貫教育機関も、現在では本学園だけとなっており、それだけにその存在意義は大きく、その責務も重くなっています。そこで駒沢学園では社会の変化やステークホルダーのニーズに対応できるよう、幼稚園から大学院に至るまでの全課程で改革にとりかかっています。

現在、駒沢学園は、「建学の精神」と「教育の理念」に基づいて日々の教育活動を行っております。すなわち、建学の精神は、道元禅師の禅の教えを基に、(坐禅によって)正しくものごとを見つめ、捉えていくという「正念」と、実践すること(行)と学ぶこと(学)とを一体化させていくこと(一如)という「行学一如」です。建学の精神のこの二つは、建学当初から今日まで受け継がれていることであり、また現代社会で生き抜くためにも必要な事柄でもあります。
教育の理念は、「知性と理性を備えた心豊かな女性の育成」です。これは、駒沢学園100周年に向けた中長期計画策定作業の課程で策定された事柄です。つまり、建学の精神を現代的な言葉で置き換え、本学園の教育のあり方の根本を学生、生徒の皆さんにわかりやすく理解していただくために策定され、実践いたしております。

少子化現象の続く中、私学教育事業は大変困難な時代に直面しています。このような中、私学教育に携わる者は、何よりも、その建学の精神を尊重しなくてはなりません。建学の精神を確固たるものとして日々自覚、実践することによって私学ならではの特色ある私学教育を行うことができると考えられるからです。
同時に、日進月歩の社会の変化に対応できる人材養成が今日の学校教育の場に求められています。それだけに、時代や社会の要請に応じた教育活動を行っていかなければなりません。駒沢学園では各課程の教育活動において、常に、「今、必要なことは何か」ということを探求しつつ、日々の教育活動に反映させるよう努力致しております。その際、ただ新奇性を追い求めるだけでなく、その中にある本質的な部分の探求を常に念頭に置いています。

本学園は、一方で、建学の精神、教育の理念を実践に移し、他方で、現代社会の要請を教育の中に取り入れていくことに、その存在意義があると考え、実践致しております。

学校法人 駒澤学園 理事長 光田督良