『涅槃会』の式典が行われました。

お釈迦様がお亡くなりになった2月に毎年行われる「涅槃会」の式典では、お釈迦様とのお別れの様子を描いた「涅槃図」を掲げ、香(お線香と焼香)、華(お花)、燭(お灯明)、蜜湯(あまいお湯)、菓(お菓子)、茶(温かい茶)を供え、厳かに読経し、そのご遺徳を偲(しの)びます。「涅槃会」は、お釈迦様の死を悼(いた)み、生を考え、このかけがえのない人生をどう生かすかに思いを巡らせる貴重な機会となっています。

日時 2019年2月15日(金)8時45分開式
場所 駒沢学園記念講堂

『涅槃会』式典風景

  • 式典の様子
    式典の様子
  • 講話(安藤嘉則常務理事)
    講話(安藤嘉則常務理事)

式典では安藤嘉則常務理事より、次のような講話がありました。

お釈迦さまは入滅されるにあたり、弟子たちに最後の説法をされ、嘆き悲しむ弟子たちに次のように説かれました。
「会う者は必ず別れなければいけない。だからいたずらに悲しむことはない。むしろお前たち弟子たちが私の教えを実践することで仏の教えは生き続け滅びることはないのだ。」(『遺教経』)
つまり、お釈迦様は最後に望まれたのは、仏のみ教えを受け継ぐ者がそれぞれの生活の中で実践しつづけることでした。それは仏の教えを活かすも殺すもお前たち自身なのだ、というメッセージです。
このお釈迦様の教えを後の人々は山を越え海を渡って求めて今に伝えてきました。道元禅師も中国へ渡り、禅の教えを日本に伝え、その教えが本学園の建学の精神となっています。
どうかこの涅槃会にちなみ、改めて建学の精神を自らの学校生活に活かしきれているか顧みていただきたいと思います。そして学外においても、思いやりのある実践を駒女生として行ってください。たとえばバスや電車でお年寄りに席を譲ることが、ごく自然にできるような生徒さんになっていただきたいと思います。

駒沢学園の平成大涅槃図

  • 涅槃図を鑑賞する園児
    涅槃図を鑑賞する園児

本学園の貴重な所蔵物である平成大涅槃図は、涅槃会の式典後に園児、生徒たちの学びのための教材として毎年お披露目されています。

本学園の涅槃図は仏画師・藤野正観氏の手によるもので、平成七年に完成しました。京都市大原野の大山古刹西山善峯寺(単立・両国第二十番札所)の薬湯場を画室とし、約一年がかりで書き上げられたということです。基本の元絵は日本最古の国宝「仏涅槃図」(高野山金剛峯寺所蔵)とされており、これが平安後期、応徳三年の作で「応徳涅槃図」と呼ばれていることにちなんで「平成大涅槃図」とされました。

平成大涅槃図は5.4メートル四方の一枚の巨大な和紙に描かれており、これは世界最大のものだということです。この和紙は、大正14年(1925年)、福井県の人間国宝故岩野平三郎氏が8人がかりで漉いたといわれる越前手漉き和紙のうちの一枚で、日本画家の大家・横山大観氏の注文に応じるべく作成されたものです。この貴重な和紙を使用して、縦4.8メートル、横4.6メートルもの大きな涅槃図が誕生しました。

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