


「近代文学入門」の授業で、私は心に深く残る大切な小説と出会いました。それは堀辰雄の『曠野』(あらの)です。古典文学が好きで古典文学を中心に読んでいた私はあまり近代文学に触れたことがなく、「近代文学入門」の授業で学んだ作品の多くは初めて読むものばかりでした。堀辰雄という作家の存在は知っていたものの、作品は何一つ読んだことがありませんでした。
授業で取り上げられた『曠野』は、幸せに暮らしていた女と男が別れ、数年後、思いがけず再会するものの、女は愛した男の腕の中で抱かれたまま息絶えてしまうという小説です。読み終えたときには涙がこぼれました。胸に何かが込み上げてきて、鳥肌がたつほど切なく感じました。女の、男に対する想いが心に響き、恋愛とは、幸せとは何なのか?ということを考えさせる小説でした。
『曠野』を読んで私は、大学に入って良かったと改めて強く思いました。もし日本文化学科に入学していなかったら、きっとこんな素敵な小説に出会えなかったと思います。ふとした出会いから自分の視野を広げるという大学生の学びの醍醐味を実感しました。
『曠野』との出会いは、私に大きな影響を与えてくれました。『曠野』は私の宝物になりました。
皆さんもぜひ、『曠野』を含めたくさんの本を読んでみてください。皆さんにとって宝物のような一冊と出会えますように。(2012.1)

昨年7月から1年間、インドネシア国費留学生としてインドネシアのスリウィジャヤ大学で学びました。専攻はインドネシア語です。政府奨学金は、35歳までの若者が受けられる制度で、インドネシア国内の大学で言語や文化について学びます。
1年間の留学生活を振り返って思うことは、「国の魅力は人にあり」ということ。「お嬢さん、引ったくりにとられちゃうよ、鞄は前に向けて提げなさい」。街中で声をかけてくれるおばさんたち。毎日こんな出会いに溢れています。日本人が忘れかけている思いやり、人情を教えられる毎日でした。
そんな生活をするうちに、今ではインドネシアが第二の故郷だと実感するようになり、現地の日本関連の職場の採用試験に挑戦しました。さいわいにも内定を頂き、卒業後は大好きな日本とインドネシアのために働くことになりました。
近年、就職難の影響で海外留学希望者が少ないという話をよく耳にしますが、海外に住むことで初めてわかる日本のよさがたくさんあると思います。だからこそ、日本文化学科の学生はもちろん、チャンスと時間に溢れている学生時代に、積極的に外へと出かけてみてください!新しい世界が見えてきますよ!(2011.10)

新入生を迎えて2ヶ月が過ぎました。1年生の皆さんも今ではすっかり大学生活に慣れた様子です。先日、「日本語の基礎Ⅰ」の時間に「大学生になって」という題で思いを綴ってもらいました。その中からひとつだけ紹介します。

大学生になってから、早くも二ヶ月が過ぎようとしている。長野県から上京してきた私は、四月から始まる一人暮らしが不安でたまらなかった。しかし、二ヶ月近く経った今では炊事や洗濯、掃除にも慣れ、趣味に時間を費やす余裕も出てきた。
大学でも新しい友人がたくさん出来た。特に入学式で隣の席だったMさんとは、将来の夢(学芸員資格取得)が同じだということもあり、すぐに仲良くなった。日本全国の人と話ができる大学という場は本当に素晴らしいと思う。
また、大学の授業も高校までと違い、とても新鮮で面白い。とくに仏教学や日本語学関係、博物館学の授業は、今までまったく知らなかったことを細かく教えてもらえるため、自分の教養が日々高められていく感覚があり、毎時間とても充実している。
受験はつらいことばかりだったが、諦めずに勉強してよかった。この駒沢女子大学に入学できて、本当によかったと思っている。(2011.6)

11月下旬、近代文学演習(ゼミ)の皆と一緒に、夏目漱石の小説『三四郎』の舞台となった本郷周辺を散策してきました。
小説を読んだ後に出かけたので、小説の中に出てくる場面を頭の中で想像しながら歩くことが出来ました。1番印象に残った場所は、東大構内にある「三四郎池」です。ここは、小説『三四郎』の中で、主人公の三四郎が美禰子という女性と初めて出会う場所です。心字池というのですが、今では「三四郎池」と呼ばれるようになっています。
本郷周辺には樋口一葉ゆかりの地も多くあり、一葉ゆかりの建物や場所を間近で見られたこともとても貴重な体験となりました。(2011.2)


先日、歴史コースのゼミの有志が卒業論文・ゼミ論中間報告会を行いました。ふだんの授業とは違い、それぞれのゼミで学生がどのような研究をしているのかを知ることができ、私たち4年生にとってとても貴重な時間になりました。
同じ歴史コースであっても、研究テーマは、民話「猿の生肝」、植物の品種改良、学校の怪談、切腹といった様々な内容で、興味深く、異なった視点で日本文化・歴史を見ていくことの面白さを改めて知らされました。
私の発表テーマは「中世都市鎌倉の都市と秩序の形成 ─行政区画“保”から見る秩序― 」でした。中世都市鎌倉の秩序を行政区画である“保” という制度から探るという研究について発表しましたが、発表後、仏教的な立場からの都市形成など、歴史以外の視点からの意見をいただき、大変参考になりました。
これまで他のゼミの学生と研究内容について話す機会がなかったので、今回の報告会では各々の研究を知るだけでなく多彩な意見をもらうことで、相互に研究成果を高めあうことができるのではないかと思いました。(2010.11)

1月24日(日)、日本文化史基礎演習の授業で、神奈川県藤沢市にある時宗の本山、遊行寺を見学しました。遊行寺では、「特別展 遊行寺の什宝」を見学しました。私は以前から『木造空也上人立像』、『後醍醐天皇御像』の2点の実物を見ることを楽しみにしていました。学芸員の方のお話しによると『木造空也上人立像』は手や足がばらばらの状態で発見され、身に着けている衣の長さや顔から空也上人であると判断されたそうです。作品はきれいに修復されていて、ばらばらだったとは思えないほどでした。『後醍醐天皇御像』は後に模写された作品と並んで展示してあり、2つの作品を比較し、原作と模写の描き方の違いを見つけることができ、自分が持っていた知識がさらにひろがりました。
また、一般公開されない作品収蔵庫や作品の復元を行うためのPCのデータベースなどを見学させていただきました。学芸員を目指している私にとって貴重な体験でした。(2010.2)