文学散歩 文学の世界に触れる旅

日本文化学科4年の岡野絵美です。
私は、「古典文学演習」のゼミに所属して、池田節子先生のもとで『源氏物語』について研究しています。ある時、ゼミの会話の中で、『源氏物語』だけでなく、日本のさまざまな文学について、見識を広めてみようということになりました。10月8日、あいにくの小雨模様でしたが、東京の上野と本郷界隈へ文学散歩に出かけました。

文学散歩のスタートは、上野の東京国立博物館です。
展示品の中でもっとも興味をもったのが、平安時代の人物が書いた書や仏像でした。これらの文化財は、何年の時を経ても、今なお作成された当時のままの姿で、見ることができていることに感動しました。ふと、日頃何気なくゼミで読んでいた『源氏物語』も、これらの書や仏像と同じ時代に書かれたことを思い出し、『源氏物語』の歴史的な価値の高さを改めて感じました。

  • 東京国立博物館本館前にて
    東京国立博物館本館前にて

次に訪ねたのが、時代が変わり近代文学の作家ゆかりの史跡がたくさんある本郷界隈です。まず、東京大学本郷キャンパス内に行き、その中心にある三四郎池に行きました。この池は、明治の文豪、夏目漱石の小説『三四郎』にちなんで名付けられたといいます。池の周りにはたくさんの自然が残されており、初めて三四郎池に行ったこともあって、大変感動しました。この後、樋口一葉の旧宅の井戸や一葉ゆかりの質屋を訪ねました。一葉の旧宅周辺は、都心にありながら夏目漱石や樋口一葉などの明治の作家たちが生きていた時代を感じさせる雰囲気を残す町並みでした。また樋口一葉が使用していた井戸にも、実際に触れることもでき、感動もひとしおでした。

  • 三四郎池にて
    三四郎池にて
  • 樋口一葉が使用した井戸
    樋口一葉が使用した井戸

今回は、全行程4時間という小さな旅の文学散歩でしたが、教室での学びでは得られない貴重な経験や楽しい思い出をたくさん作ることができました。「百聞は一見にしかず」ということわざもありますが、皆さんも身近にある文学作品ゆかりの場所などを訪ねて、文学の世界を別の角度から味わってみてはいかがでしょうか。

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