「住宅課題賞2018」に出展しました

毎年秋に開催されている「住宅課題賞2018」(東京建築士会主催)に、今年も3年生「建築デザインⅠ」の授業で取り組んだ集合住宅の課題の中から、優秀作品として竹内千晶さんの「子供を見守る家」を出展しました。「住宅課題賞2018」は、首都圏の建築系大学39大学51学科の設計授業で取り組まれている住宅課題のなかから優秀作品が展示される展覧会で、11月2日から20日まで竹中工務店東京本店1階「ギャラリーエークワッド」で開催されました。11月10日(土)には5名の審査員が「優秀賞」や「審査員賞」を選出する公開審査会も行われました。今回出展した集合住宅の設計コンセプトや出展を通して感じたことなどについて、竹内さんにインタビューしました。※

課題「ダガヤサンドウに住むとしたら」

「ダガヤサンドウ」と呼ばれる千駄ヶ谷・北参道エリアが注目を集めています。新宿と原宿・渋谷という巨大な商業エリアに挟まれた住宅地に、個性豊かな専門店が点在し、新たな魅力が人々を惹きつけています。今回の課題では、「ダガヤサンドウ」という場所に人が集まって住むことにより生まれる価値や関係を考え、周辺環境を読み解きながら、このエリアの魅力や可能性の広がりをつくりだすことを目的としています。

  • 1/50サイズの模型とパネルを展示
    1/50サイズの模型とパネルを展示
  • 「子供を見守る家」
    「子供を見守る家」
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  • 住宅課題の優秀作品が一堂に展示され、見応えあります
    住宅課題の優秀作品が一堂に展示され、見応えあります
  • 後輩たちも見学に来てくれました
    後輩たちも見学に来てくれました

Q1 今回出展した集合住宅「子供を見守る家」はどんなコンセプトですか?

ダガヤサンドウは、大人が楽しめる店舗が多く展開している一方、幼稚園や保育園などの施設もあります。そこで、子どもが住みやすい集合住宅を設計しようと考えました。中庭を囲んで住戸が並び、子供部屋が中庭に突き出しています。そうすることで子どもは外へ興味を持ち、そこから子供同士の繋がりが生まれます。また、家の中でも子供部屋に壁を設けず、リビングと空間を繋げることで、親子のコミュニケーションを増やせるような設計になっています。

Q2 「住宅課題賞」への出展を通して感じたことは?

一番強く感じた事は、模型の大切さです。特に、自分の設計した建物がどのような場所に建ち、どのような環境なのかを模型や図面でもしっかり表現することが大切だと感じました。また、素材や色、空間の見え方が実際にどうなるかを伝えるには、模型が一番よい手段だと思いました。設計において模型を疎かにしてはいけないので、これからは模型に対する今までの取り組み方を改め、細かい部分までしっかり表現しようと思いました。

Q3 11月10日に開催された公開審査会はどうでしたか?

審査員の皆様にはとても厳しく審査して頂きました。自分の設計にはまだまだ足りない部分があり、自分が良いと思って作った部分も、実際に住むことを考えた時に居心地のよくない設計だったということが沢山ありました。また、心に残ったことは、「設計とは、その形にならないといけないからその形に設計する」という言葉です。自分の設計を振り返ってみると、深く考えずに建物の形を決めていると気づきました。客観的に自分を置いて様々な視点に立って細部まで考えることが建築だと改めて感じました。

Q4 今後の抱負をお願いします

今回、住宅課題賞で他校の方の作品や素晴らしい審査員の方々にコメントを頂いたことにより、大きな影響を受けました。今までの自分に足りない部分や考え方を改めようと思える良い経験ができました。これからも授業の課題や卒業制作で設計をしていくので、この経験で得たことを沢山生かしていこうと思います。そうして出来たものが、自分の就職や将来の仕事に良い形で現れるように、妥協せずに一つ一つの作品に向き合っていきたいです。

  1. ※ 人文学部 住空間デザイン学科とは、人間総合学群 住空間デザイン学類の前身となる学科です。

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